その取引で設備が果たした機能
第339条の1は、自分または第三者の不法領得を意図し、不正な方法で料金徴収設備から他人の物を取得する行為を定めます。第339条の2は自動支払設備からの取得を対象とします。区別の出発点は、その操作で設備が何をしたかであり、画面があるか、ネットにつながっているかではありません。
ATMからの出金では第339条の2が検討対象になりますが、誰の財物を、どの不正な方法で取得し、どのような意思があったかを確認する必要があります。一般の電子決済も、支払いという名称だけで同条の設備と決めず、サービスが実際に処理している内容を調べます。
財産権の変動を示す記録か
第339条の3は、コンピュータ上の虚偽をすべて対象にする規定ではありません。不正な方法による虚偽資料または不正指令の入力、財産権の取得・喪失・変更の記録の作成、他人の財産の取得というつながりを示す必要があります。入力内容が誤っているだけで、残りの要件まで満たされるわけではありません。
会計データや残高の問題なら、元データ、入力内容、システムが生成した記録、実際の資産の流れを比較します。画面の残高が変わっただけでは、権利がどう変動したか不明な場合があります。不実の文章が見つかっただけでも、財産権の記録の作成と財産の取得まで当然に証明されるわけではありません。
システム担当者がデータの項目を説明する際は、単なる表示、取引の申込み、実際の権利変動を記録する情報を分けると、その機能を確認できます。同じような項目名でも、別の処理によって作られる場合があります。説明は元の記録へ戻って照合できるようにし、操作後の画面写真だけを記録全体の代わりにしないことが考えられます。
利用の許可と財産上の利益の帰属
三つの条文には、自分または第三者の不法領得を図る意思が必要です。カードを渡された、暗証番号を知っている、以前に操作を頼まれたという事情は、その道具を得た経緯を示します。しかし、今回の出金や送金まで許可されていたかは、目的、金額、期間、利益の帰属と合わせて確認します。
特定の費用を代わりに支払う依頼と、自分の支出のための出金は、合意内容を比べる必要があります。権限の超過か、後からの意見変更かが争われる場合、カード交付時や用途指定、精算のメッセージ全体を残します。「使ってよい」という一文だけで、その後の制限を省かないようにします。
第339条の1から3には、対応する方法で不法な財産上の利益を得たり、第三者に得させたりする規定もあります。現金を持ち去ったかだけでなく、どの利益が、誰に、どの方法によって生じたかを確認します。利益という言葉だけでは、対象と結果の説明にはなりません。
第三者のための操作で、自分の口座に金銭が入らなかったとしても、それだけで責任は排除されません。意思と行為の要件を調べる必要があります。一方、取引の流れに名前が出てくるだけで、事情を知っていた、利益を分け合ったと決めることもできません。取引の開始、承認、入金、出金の役割を人物ごとに分けます。
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システムに止められた取引も確認する
三条とも未遂を処罰するため、金融機関やシステムが取引を阻止しただけで、犯罪の問題がなくなるとは限りません。ただし、どの操作まで行い、なぜ止まり、実際に何を取得したかを調べます。すべての準備行為を未遂と呼ぶことはできません。
失敗と表示された取引は、拒否理由、取引コード、時刻も残すと、後の成功した別取引と区別できます。また、電話で欺かれた本人がATMを操作した事件は、人に対する欺罔と交付を検討する必要があります。ATMが出てくるというだけで、事件全体を機械からの取得の規定へ当てはめることはできません。
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取引記録が示す範囲を対応させる
口座の入出金記録、設備のログ、認証方式、映像は、それぞれ金銭の移動、操作、人物の手掛かりを示します。一つの資料がすべてを示すとは限りません。受取口座の名義人、実際の操作者、最終的な受益者が同じかは、取引明細にある名前だけで決められません。
金額、時刻、元の権利者が同意した内容、利益の帰属を一件ずつ対応させると、不足する証拠が見えてきます。これは法律が一律に要求する書類一覧ではなく、整理だけで適用条文が決まるものでもありません。設備の機能、入力、財産の変動、行為者の意思へ戻って判断する必要があります。
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