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台湾の同意捜索で署名をした場合の任意性と範囲

台湾では、捜索を受ける人が任意に同意すれば、捜索令状を用いずに捜索できます。刑事訴訟法第131条の1は、担当者の身分証提示と、同意の趣旨の調書への記載も要求しています。署名は同意を調べる資料ですが、同意に至る過程や認めた範囲の確認に代わるものではありません。

台湾の刑事法 · 更新日

同意を得た時点を確認する

同意は捜索の法的根拠の一つなので、いつ取得したかが手続の判断に関わります。データを既に閲覧した後に署名を求められたなら、それ以前の閲覧と後の書面を分けて説明します。後から協力すると述べたからといって、それまでのすべての閲覧に適法な根拠があったとは限りません。

最高法院114年度台上字第687号判決は、携帯電話の同意捜索について、捜索前の身分証提示と同意の記録・署名または書面、同意を尋ねる前の拒否権の告知、実施中にも同意を撤回できることの告知などを検討しました。これは同判決が示した具体的な手続の検討であり、署名さえあればよいという説明にはできません。

刑事訴訟法第131-1條 · 最高法院114年度台上字第687號判決

携帯電話を渡すことと全データの閲覧は異なります

同判決は、押収のために携帯電話を提出したことと、端末内のすべてのデジタル情報の閲覧に包括的に同意したことを区別しています。端末には、第三者との会話、私的な写真、事件と無関係な情報も入っています。媒体を確保することと、その情報を読むことでは、財産権や情報プライバシーへの介入が異なります。

同意書に書かれた対象、アプリ、期間、情報の種類、目的は、範囲を知る資料になります。特定の会話の確認だけが話題だったのに別の情報まで閲覧されたなら、当時の意思表示と実際の行為との違いを示します。これらは同意を具体的に調べる項目であり、書式の欄を埋めれば必ず適法になるという意味ではありません。

一つの書面に端末の提出と情報閲覧の両方が書かれている場合は、それぞれの文が何を対象にしているかを確認します。署名の位置だけでは、口頭の説明が提出に限られていたか、データの範囲に別の限定があったかは分かりません。二つの意思表示を分けて記述すれば、同意が全くあったか、なかったかの二択だけでは表せない争点も示せます。書面とやり取りを併せて読むための区別です。

最高法院114年度台上字第687號判決

任意性はその場のやり取りから調べる

任意性は一枚の書面だけでは判断できません。同意を求める際の説明、本人の理解、拒否や限定の意思表示、それに対する担当者の返答も対象になります。圧力を受けて署名したと主張する場合は、具体的な言葉、時刻、同席者などを示します。後から不本意だったと評価するだけでは、その場の状況が伝わらないことがあります。

同意を拒否すること自体は、犯罪を認めることではありません。ただし、同意という根拠が使えないことと、捜索が一切できないことは異なります。令状やほかの法定例外が存在するかは、その時の事実に即して別に確認します。同意に争いがあるというだけで、ほかの根拠まで存在しないと決めることはできません。

刑事訴訟法第131-1條 · 最高法院114年度台上字第687號判決

手続に不備があった後の証拠判断

114年度台上字第687号の事件では、最高法院は同意手続に不備があるとしながら、関連する会話を証拠から外しませんでした。実際の閲覧が事件に関連するグループと会話に限られ、生活上の私的核心部分に及んでいないこと、違反の程度、防御権への不利益などを第158条の4に基づいて衡量しました。その結果、証拠能力を認め、上訴を棄却しています。

この判決は手続の要求と個別事件の衡量を併せて示しています。同意を先に記録しなければ常に証拠が排除され、無罪になるという判断ではありません。一方、この事件で採用されたからといって、どのような不備も許されるわけではありません。捜索範囲や侵害の程度、取得過程が違えば評価も変わり得ます。

最高法院114年度台上字第687號判決 · 刑事訴訟法第158-4條

同意の資料と実施の資料を対応させる

争点を整理する資料には二つのまとまりがあります。同意に関する書面の版と作成時刻、録音・録画、限定や撤回の意思表示が一つです。もう一つは、いつどのデータを開き、何を取り出し、何を犯罪の疑いの根拠に使ったかという実施の記録です。同意書だけでは範囲の超過が分からず、画像だけでは取得手続が分からない場合があります。

第158条の4は、法律に別段の定めがない限り、公務員が法定手続に違反して得た証拠について、人権保障と公共の利益の均衡から証拠能力を判断すると定めます。どの手続が欠け、それがどの侵害につながったかを示すことで、排除を求める資料と理由を具体化できます。

たとえば同意の撤回がある閲覧より前なら、それぞれの時刻と根拠資料を示します。撤回後に別の適法な根拠があったかという問題と、撤回前の同意が任意だったかという問題は分けて検討できます。後の一枚の書面だけで、全過程をまとめて評価する必要はありません。

刑事訴訟法第131-1條 · 最高法院114年度台上字第687號判決 · 刑事訴訟法第158-4條

法令・裁判例の出典