映像の所在と消えるおそれを具体化する
条文が挙げるリスクは、証拠の滅失、偽造、変造、隠匿、使用の困難です。自動上書き、機器の交換予定、不安定な管理状況は、具体的な説明材料になる場合があります。ただし、対象の映像との関係を示す必要があり、事件が重大だという一般的な説明だけでは代わりません。
カメラの位置、管理者、向き、必要な日付と時間帯、映像で証明したい事実などを特定できます。近くにカメラがあるとしか分からず、現場が映っているか不明なら、確認済みの事実と不明点を区別します。映像の存在を確認する必要と、存在する映像を残す必要を分ければ、実際の資料に即した処分を求めやすくなります。
保存期間は機器ごとに異なります。店舗、建物、道路の映像が同じ日数残るとは限りません。管理者の返答、機器の情報、上書きの通知などがあれば、急ぐ理由の資料になります。推定しかない場合には、その根拠を示し、確定した期限として扱わないようにします。
保全は映像ファイルの取得だけとは限りません
第219条の1は、捜索、押収、鑑定、検証、証人尋問、その他必要な保全処分を挙げています。どの方法が必要かは証拠とリスクによって変わります。機関が映像をダウンロードすることだけが保全だと考えるのではなく、何を残したいのかを具体化できます。
特定の機器でしか再生できない場合や、画面の時刻が実時刻と違う場合には、ファイル、再生条件、時間差の説明がそれぞれ必要になることがあります。管理者に一時保存を頼むことと、検察官が法定の処分をすることは異なります。口頭で残しておくと言われただけで、法定手続が完了したことにはなりません。
5日は検察官が処分する期間です
検察官は受理後、不適法または理由がないとして却下する場合を除き、5日以内に保全処分をしなければなりません。映像が必ず5日残るという保証ではなく、発見してから5日待たないと申し立てられないという意味でもありません。5日より早く消えるおそれがあれば、その事情を申立てで具体的に伝えます。
受理と時間の経過を確認するため、提出・受領の記録や補充書面を残せます。既に被害を届け出たことと、特定の映像について保全申立てが受理されたことは同じではありません。一般的な届出や調査してほしい証拠とは別に、保全の対象と急ぐ理由を担当者が把握できる形にします。
却下または期間内の不処分後は裁判所へ
検察官が却下した場合、または法定の5日以内に保全処分をしなかった場合、申立人は管轄裁判所へ直接申し立てられます。既に却下されたなら、法律はさらに5日待つことを要求していません。元の申立て、受理時刻、却下や不処分の状況、現在もあるリスクを示します。
第219条の2により、裁判所は決定前に検察官の意見を求めます。形式上の不備が補正できるなら、期間を定めて補正を命じなければなりません。理由があれば認容し、法律上認められない場合や理由がない場合などは却下します。保全を認める決定にも却下する決定にも、抗告はできません。
警察から未送致でも宛先が定まっています
第219条の3は、原則として捜査を担当する検察官への申立てを定めます。まだ検察官へ送致・報告されていなければ、調査する警察の所属機関の所在地を管轄する地方検察署の検察官へ申し立てます。検察官の事件番号がないからといって、送致まで消失のリスクを放置する制度ではありません。
保全は後で調べられる資料を残すためのもので、誰が有罪か無罪かを先に決める手続ではありません。取得後も、完全性、時刻、撮影範囲、人物の識別は証拠評価の対象になります。有利な一場面だけでは、事件の前後を説明できないこともあります。
この申立ては告訴人だけのものではありません。被疑者や被告人も、別のカメラに退出した場面、その場にいなかったこと、ほかの有利な経過が映っていると考えるなら、自らの立場と法定のリスクに基づいて申し立てられます。理由は、映像と証明したい事実との関係、急いで処理しなければどのように使えなくなるかを中心に示します。無実を証明したいという希望だけでは、どの資料をなぜ今残す必要があるかが分かりません。有利な内容を予想していても、まだ見ていない映像の内容を確定した事実として書く必要はありません。