無罪は証明不足または行為が処罰されない場合
刑事訴訟法第301条第1項は、被告人の犯罪を証明できない場合、またはその行為が処罰されない場合に、無罪を言い渡すよう定めます。結果は同じ無罪でも、前者は犯罪の証明が足りない問題、後者は法律上処罰しない問題です。主文だけを見て両者の理由を同じものとして扱うことはできません。
同条第2項は、刑法第18条第1項または第19条第1項により処罰されず、保安処分を必要と認める場合には、処分と期間も言い渡すよう定めています。無罪という主文だけから後続の措置が全くないとは断定できず、保安処分についての記載も読む必要があります。
免訴には法律が列挙する四つの理由がある
第302条の免訴は、既に判決が確定した、時効が完成した、大赦があった、犯罪後の法律が刑罰を廃止した、という場合です。証拠が弱いという理由を別の呼び方で処理する制度ではなく、それぞれの法定原因に基づく判決です。
「免刑」とも区別されます。免刑は刑を免除するもので、免訴は第302条の原因によって訴追を終えるものです。日常の会話ではどちらも処罰されなかったと表現されても、判決の法律用語は交換できません。事件の結果を伝える場合、元の主文と理由を残すほうが、単に問題がなくなったと述べるより正確です。
不受理は手続や審判の前提に関する判断
第303条には、起訴手続の違法、同一事件を同じ裁判所に重ねて起訴した場合、告訴・請求を要する犯罪についてそれがない、取り下げられた、または告訴期間を過ぎた場合などがあります。これらは、犯罪事実を一つずつ審理して否定したことを意味しません。
同条はさらに、第260条に反する再起訴、被告人の死亡や被告法人の消滅、被告人に対する審判権の欠如、第8条により審判できない場合も列挙します。理由に応じて、告訴書と日付、以前の処分やその確定など、確認すべき資料が変わります。どの場合にも犯罪証拠の強弱だけを検討すればよいわけではありません。
管轄違いは管轄裁判所への移送を伴う
第304条により、管轄権のない事件では管轄違いを言い渡し、同時に管轄裁判所への移送を言い渡します。担当する裁判所の問題なので、元の裁判所が刑を科さなかったことから、実体面が最終的に解決されたとはいえません。
第303条の審判権がない場合と、第304条の管轄権がない場合も別の理由です。主文が引用する条文を確認すれば、移送を犯罪の不存在と取り違えずに読めます。似た言葉でも、事件をどこで扱うかと審判の権限自体の問題は区別されます。
口頭弁論を経ずに出せる判決もある
第307条は、第302条から第304条の判決を口頭弁論なしで行えると定めます。免訴、不受理、管轄違いの判決を受けた場合、十分な口頭弁論がなかったことだけで手続違反とは限りません。ただし、この規定からすべての無罪判決も同じ方法で出せるとは導けません。
理由を読む際は、判断された事項と、手続上の理由から判断されなかった事項を分けます。適法な告訴がないため不受理となったのなら、未判断の争点をすべて不存在と確定したようには述べられません。無罪の場合も、実際の理由に沿って証明不足なのか行為が処罰されないのかを確認します。