弁護人が審判中にできること
33条1項は、審判中の弁護人に記録・証拠物の閲覧、筆写、複製、撮影を認めます。起訴事実と供述、鑑定結果などを照合し、追加の証拠調べが必要か判断するための権限です。ここでいう審判中という時期を外して、捜査のどの段階でも検察官が持つ全資料を交付してもらえると考えることはできません。
閲覧できる資料の内容がすべて真実と確定したわけでもありません。資料の作成者、取得手続、日付、欠落部分を調べ、有利・不利な情報と争いのある情報を分けます。撮影できることは入手方法の一つであり、第三者の個人情報や別事件の内容を公開する許可ではありません。
本人の写しと原本へのアクセス
被告人本人は審判中に費用を前納して記録・証拠物の写しを請求できます。被訴事実と無関係、別事件の捜査を妨げるおそれがある、当事者や第三者の私生活または営業秘密に関わるとき、法院は制限できます。写しを請求する権利があっても、交付範囲が常に無制限というわけではありません。
原本を直接閲覧するには法院の許可が要り、記録と証拠物の安全を保つことが前提です。写しに対する制限理由に加え、有効な防御権行使に必要でないときにも閲覧が制限され得ます。原本に触れる必要があるなら、どの証拠の何を確かめ、なぜ写しでは足りないかを示すことで申請の対象が明確になります。
制限への抗告と資料の用途
33条による本人の写しまたは原本閲覧の制限には抗告できます。どの資料について、無関係やプライバシー保護などの理由が当てはまるのか、部分的な伏せ字で対応できるのかを具体的に争います。単に「防御に必要」と全記録を一括して求めるだけでは、法院が指摘する個々の支障に答えられません。
記録と証拠物の内容を持つ人は、不当な目的で利用してはなりません。弁論準備のための検討と、証人の住所や医療情報を不特定の人に広める行為は異なります。協力者に見せる必要があっても、その役割と必要な範囲を確かめ、閲覧権を公開権と取り違えないことが求められます。
写しでは確かめられない点の示し方
写しに添付資料が欠ける、色や筆跡が判別しにくい、証拠物の裏面や封印の表示が見えない場合は、ページと確かめたい特徴を特定します。そうすれば、法院は原本の安全と防御の必要性を具体的に比較できます。「写しが見づらい」だけでは、すべての証拠物に制限なく触れる必要を示せません。原本を見たい理由と、写しで代替できない理由を分けることが重要です。
記録の内容と自分で集めた資料の出所も分けます。調書には証人の発言が書かれ、元の映像には別の情報が残っている場合があります。違いを指摘するときはページ、ファイル名、時刻を残し、弁護人の要約を原文と混同しません。閲覧は資料を持つことだけが目的ではなく、次に何を争い、どの証拠調べを求めるかを特定する土台になります。
証人や第三者の秘密が含まれていても、争点に必要な部分だけを確かめられる場合があります。どの箇所を伏せ、どの部分を防御に使えるかを考えるには、資料の用途を具体的に示す必要があります。交付や閲覧を制限されたときは、制限の対象と理由が記録上どう示されたかを確認してから抗告の論点を組み立てます。
写しの交付を受けた日時と対象資料を記録し、後に追加された記録があるかも確認します。最初に閲覧した時点の資料だけで審判全体の証拠が固定されるとは限りません。追加資料については新たに何を検討する時間が必要かを具体的に整理します。
捜査中の勾留審査は別の規定
捜査中の勾留審査には33条の1があります。別段の規定がなければ弁護人は記録と証拠物を閲覧し、筆写または撮影できます。弁護人のいない被告人には、法院が適切な方法で証拠資料の内容を知らせなければなりません。弁護人が得た情報の公開や不当な使用は禁止されています。
この特則は勾留審査に関するもので、一般の捜査が始まった瞬間から全記録を閲覧できるという意味ではありません。現在の段階が起訴後の審判なのか、捜査中の勾留審査なのか、申請者が誰なのかによって請求形式が変わります。部分的にしか資料を得られなければ、欠けた部分がどの立証事項に関わるかを特定して検討します。