どの段階の尋問かを確認する
第166条によると、当事者などが召喚を申し立てた証人・鑑定人について、裁判長が人定質問をした後、当事者、代理人または弁護人が直接尋問します。申立側の主尋問、相手側の反対尋問、申立側の再主尋問、相手側の再反対尋問の順です。その後の追加尋問には裁判長の許可が必要です。
この順序は、証人を申請した側が証明する事項を先に尋ね、相手側がその供述を検討するためのものです。誰が証人を申請したか、今どの段階かが、範囲の判断に関わります。質問者が検察官か弁護人かだけで、主尋問か反対尋問かは決まりません。
主尋問では原則として答えを誘導しません
第166条の1は、主尋問の対象を証明する事項と関連事項とし、供述の証明力を明らかにするための必要事項も認めます。主尋問で誘導が原則禁止されるのは、質問自体が実質的な答えを用意してしまうことを避けるためです。ただし、はい・いいえで答えられるかだけではなく、表現とやり取りの中での働きから検討します。
法定例外には、実体的な事項に入る前の身元、学歴、経歴、交友関係など必要な準備事項、明らかに争いのない事項、不明確な記憶を喚起するのに必要な事項があります。それぞれ目的と範囲があります。準備事項で認められるからといって、主要な犯罪事実のすべてを質問者が先に述べてよいことにはなりません。
敵意、回避、前の供述との違いにも例外があります
証人や鑑定人が質問者に敵意・反感を示す場合、故意に回答を避ける事項、前の供述と違う供述をした場合の前の供述への質問も、第166条の1の例外です。さらに、誘導が必要と認められる特別な事情も挙げられています。どの例外かは、実際の問答の状況と結び付けて判断します。
期待した答えでなかっただけで、敵意があるとは限りません。記憶が曖昧なことと意図的な回避も区別します。前後の違いを示すために以前の言葉を尋ねることが認められても、それだけで前の版が真実になるわけではありません。質問の形式が認められることと、供述を信用することは別です。
反対尋問の誘導も必要性と範囲に従います
第166条の2は、反対尋問で必要な場合の誘導を認めます。対象は、主尋問で現れた事項と関連事項、または供述の証明力を明らかにするために必要な事項です。観察位置、記憶の出所、前後の矛盾などは関係する場合がありますが、必要性は実際の証言に即して検討します。
反対尋問であれば無関係なこともすべて尋ねられるわけではありません。また、質問の形式が許されても、質問に含まれる前提が証明されたことにはなりません。証人は実際に知っていることに基づいて答え、確認できない前提があれば不明な範囲を説明できます。質問形式に合わせるため、すべての前提を受け入れる必要はありません。
一つの質問に時刻、行動、本人の認識が含まれていると、短い肯定がどの部分を確認したのか分からないことがあります。その場合は質問の前提を分け、前後の答えと比べて、一つずつ確認されたのかを調べます。これは証言が示す範囲を読み取る問題です。答えが短いから信用できない、長いから正しいと判断するものではありません。誘導の可否を検討した後も、回答が実際に証明する内容の確認は残ります。
自分の主張を支える新事項には主尋問の規則が適用されます
第166条の3によると、反対尋問中に自己の主張を支える新事項を尋ねるには裁判長の許可が必要で、その新事項については主尋問とみなされます。同じ人が続けて質問していても、反対尋問の誘導の規則をそのまま適用できるとは限りません。
主尋問ですでに示された事項と、今の質問で加わる事項を比較すると、新事項かどうかを検討できます。元の証言を確かめているのか、自分の事実を新たに示しているのかを分けます。質問の順番や声の調子だけではなく、範囲の争いを内容に即して示すための比較です。
弁護人のいない被告人への機会も定められています
第166条は、弁護人のいない被告人が直接尋問を望まない場合でも、裁判長が証人・鑑定人に質問する適当な機会を与えるよう定めています。直接尋問が終われば裁判長も質問できます。当事者による尋問と裁判長の役割が併存しており、沈黙しただけで質問の機会が一切不要になるわけではありません。
記録では、質問、答え、尋問の段階、裁判長の許可を併せて見ると、進め方を確認できます。ある質問を争うなら、このまとまりに戻る必要があります。前後を省いた「そうですね」という一文だけでは、法定例外として認められる誘導かどうかは判断しにくい場合があります。