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再議を申請できる人がいない事件の職権審査

台湾で再議を申請できる人がいない場合でも、すべての不起訴が上級検察署の審査なしに終わるわけではありません。刑事訴訟法256条3項は、一定の重大犯罪で嫌疑不足を理由とする不起訴と、253条の1に基づく緩起訴について、申請権者がいなければ検察官が職権で上級へ送るよう定めます。

台湾の刑事法 · 更新日

告訴人の申請権と告発人の違い

通常の再議申請権は告訴人にあります。不起訴または緩起訴の処分書を受け取った後、原則として10日以内に理由を書いた書面を原検察官を通じて直接上級の検察署検察長または検察総長へ提出します。ただし253条や253条の1の処分に告訴人が以前同意していれば申請できません。犯罪情報を提供した告発人が当然に告訴人になるわけではありません。

法律上申請できる人がいない場合と、権利者がいるのに申請しなかった場合は異なります。処分書を誰が受け取り、どんな立場で、処分への同意があったかを確かめます。告発人の不満をそのまま法定の再議申請と扱ったり、権利者の沈黙を申請権者不在と扱ったりすると、職権送付の条件を取り違えます。

刑事訴訟法第256條

重罪の嫌疑不足による不起訴

一つ目は、法定刑が死刑、無期懲役または最も軽い本刑で3年以上の有期懲役に当たる事件で、嫌疑不足を理由に不起訴とされ、申請権者がいない場合です。この3年は罪に定められた最低刑であり、被疑者に実際に科されそうな刑期ではありません。罪の範囲だけでなく処分理由も条件に含まれます。

処分書の罪名と法定刑、不起訴の理由を照合します。社会的関心の高い事件というだけで、あらゆる不起訴が対象にはなりません。この仕組みは申請人がいなくても検察体系の中で一定の処分を審査するものであり、法院が直ちに公判を始める制度ではありません。

刑事訴訟法第256條

緩起訴は別の要件で送付される

二つ目は、253条の1による緩起訴処分で再議申請権者がいない場合です。緩起訴は起訴を一定期間猶予する処分であり、嫌疑不足を理由とする不起訴とは性質が異なります。256条3項はこれを重罪の嫌疑不足による不起訴と「または」でつないでいます。緩起訴まで死刑・無期・最低3年という要件を重ねると、条文が予定する範囲を不当に狭めます。

いずれかに当てはまれば、原検察官は職権で直接上級の検察署検察長または検察総長へ送り、告発人にも通知します。告発人への通知は送付を知らせることであり、告発人が処分結果を決める立場になるわけではありません。送付された事実だけで原処分が誤りと決まることも、起訴が確定することもありません。

刑事訴訟法第256條

告発人が通知を受けた後に確認すること

告発人が職権送付の通知を受けたら、その通知と元の処分が同じ事件を指すか、元の処分が嫌疑不足による不起訴か緩起訴かを確認できます。その後、上級が追加捜査または起訴を命じたかも別に調べます。送付通知は、告発人に再議理由や起訴方針を独自に決める権限を与える書類ではありません。

告訴人がほかにいる場合には、その人の申請権と処分への同意の有無を確認しなければなりません。職権送付の前提は、再議を申請する権利を持つ人がいないことです。告発人だけを見て判断することはできません。申請権者がいる場合は、その人の処分書受領日を基準とする通常の手続が問題になります。

上級が追加捜査を命じても、すぐに法院の公判事件になるとは限りません。証人や書類など未解明の点を調べる段階が残るからです。捜査が完了していて起訴を命じる場合とは分けて読みます。検察署内部での審査が進んだという知らせと、法院が事実を審理して判決をしたという知らせは、手続上の意味がまったく異なります。

告発人への通知がないと感じても、その一事だけで上級の判断内容まで推定するのではなく、どの段階の記録があるかを分けて調べます。

刑事訴訟法第256條 · 刑事訴訟法第258條

上級検察署の判断後

上級が再議に理由がないと判断すれば退けます。理由があり捜査が未完成なら、みずから、別の検察官に、または原検察署の検察官に追加捜査を行わせることができます。捜査が完了していれば原検察署の検察官に起訴を命じます。上級へ送ることと法院で裁判を始めることには、この判断段階があります。

通知を受けた人は処分書の罪名、理由、送付記録を見て通常の再議と職権再議を区別できます。申請権のある告訴人は自身の10日という期間に注意が必要です。職権の仕組みは、その権利を行使しなかったことを補う制度ではなく、条文の条件を欠く事件で自動的に動くものでもありません。

刑事訴訟法第256條 · 刑事訴訟法第258條

法令・裁判例の出典