名前ではなく設計と機能を調べる
ネットワークに接続できる、システムを試験できるというだけで、この章の犯罪専用と決めることはできません。一般のプログラムには複数の用途があります。一方、研究用、教育用、試験用との表示も、それだけで責任を否定する根拠にはなりません。設計資料、実際の機能、開発過程、提供方法が、用途を調べる具体的な材料になります。
条文の「本章」は台湾刑法のコンピュータ使用を妨げる罪の章を指します。コンピュータで行われるあらゆる犯罪へ広げて読むことはできません。どの機能がどの罪のために使われたかを特定し、侵入、電子的記録の処理、干渉など、該当する条文の要件を確認する必要があります。
刑法第362條 · 刑法第358條 · 刑法第359條 · 刑法第360條
作成した版と使用された版の関係
第362条には、プログラムの作成と、自分または他人の犯罪のために供するという要素があります。プログラムが存在するだけでは、誰が作成し、どの版を提供し、どう使われたかを省略できません。開発履歴、版ごとの差分、引渡し記録、連絡内容を照合すると、問題の機能がいつ存在したかを調べられます。
作成者が被害端末のある場所にいなかったことだけで、調査が終わるわけではありません。条文は他人の使用も挙げています。ただし、開発者一覧に名前があるだけで後の使用をすべてその人に帰属させることもできません。担当部分、第三者の改変、実際に提供した内容を個別に確認します。
例えば、引き渡した時点では未完成だった版と、被害端末にあった後の改変版では、機能の差が争点になることがあります。引渡しの日時、版を識別する情報、追加された機能を対応させれば、どの内容を提供したかを区別できます。同じプロジェクト名が使われているだけで、双方を完全に同じプログラムとして扱うことはできません。
試験の許可は対象と操作ごとに確認する
委託されたセキュリティ試験だという説明があれば、依頼者、対象設備、期間、許された操作、停止条件を実施内容と比べます。試験契約という表題だけではなく、今回の操作を内容が含んでいたかが問題です。許可を示す資料と実行記録を対応させる必要があります。
許可範囲内の試験と、権限のない第三者へ同じプログラムを渡す行為は、異なる事実です。一回の適法な試験から、その後のすべての提供も適法とはいえません。反対に、後に誰かが違法利用したことだけで、元の作成者の行為や認識についての調査を省くこともできません。
危険な機能があることと損害の発生
第362条は公衆または他人に実際の損害を生じさせることを求めています。破壊の危険がある機能の存在と、そのプログラムが犯罪に供され損害を生じさせたことは、同じではありません。被害端末の記録、異常の発生順序、復旧作業、業務への影響から、プログラムと使用、結果の関係を説明します。
似たファイル名が被害端末で見つかっただけでは、出所や版が同じとは限りません。ファイルを識別する情報、入手経過、開発時の版の資料を比較し、分析に限界があれば残します。出所や版が一致したとしても、そのプログラムがこの章の犯罪にどう使われ、主張する損害をどう生じさせたかは、別に説明する必要があります。
第362条は第363条の列挙に含まれない
告訴を必要とする範囲として第363条が挙げているのは、第358条から第360条です。第362条は含まれません。したがって、被害者との和解と告訴の取下げだけで、この罪の手続も必ず終わるという説明はできません。賠償や被害者の意向と、告訴が必要かという法律上の条件は別に扱います。
侵入や記録の削除・変更も疑われている場合には、それぞれの行為の要件と手続の性質を分けます。和解書に返還や補償などを定めても、「すべて取り下げる」という一文だけで、法律が定めていない効果まで保証されるわけではありません。
開発の経緯を後から消さない
ソースコード、版の記録、課題のやり取り、引渡し書類は、何を作り誰に渡したかを説明する材料です。整理した最新版だけでは、当時の提供内容を確かめられないことがあります。第三者が改変した場合は、後の機能を前の版に帰属させないためにも、版を区別できる資料が必要です。
争いが生じてから保管先を消したり説明文を上書きしたりしても、過去の使用は消えず、用途を説明する記録を失うおそれがあります。原資料を残して説明用の複製を作り、確認できる開発事実、他人の使用について知っていること、分からないことを分けます。名称だけでは、こうした事実を判断できません。