文書と一般の物における使用不能
他人の文書の破棄・損壊・使用不能には刑法第352条、前2条以外の他人の物に対する同じ行為には第354条が適用され、どちらも公衆または他人に損害を生じさせるに足りることが要件になります。携帯電話や車は通常、一般の物の範囲から検討します。情報があっても文書とは限りません。
使用不能は、粉々になった場合や完全になくなった場合だけではありません。形は残ることもあります。機能の喪失を調べます。元の用途、損傷の程度、損害の可能性も確認します。文書なら、その証明・利用にどのような影響があるかは、紙の材料費とは区別します。
建築物の規定と未遂
第353条は他人の建築物、鉱坑、船舶の損壊・使用不能を対象とし、死亡・重傷についても別に規定しています。第1項の未遂も処罰します。この条文は第357条の告訴を要する犯罪に含まれません。損壊という共通の呼び方だけで、一般の物に関する告訴取下げの効果を当てはめられません。
壊した対象が建物本体か、付属設備か、分離できる物かによって、対象の認定が問題になります。現場や機能の資料が必要です。建物の中にあったというだけで第353条になるわけではなく、修理費が低いというだけで、この条文を排除できるものでもありません。
修理費から故意までは分かりません
第12条により、過失行為は特別の規定がある場合に処罰されます。これらの損壊規定で、誤って倒した場合と故意にたたきつけた場合を同じに扱うことはできません。争いの中の動作、方向、回数、前後の言葉、現場の障害物などは、当時の認識と意思を確かめる資料になります。
見積書や修理記録は、損傷、機能、復旧費を示しますが、それだけで故意を証明できません。また、第352条・第354条の損害の可能性は、被害者が修理代を全額支払ったことを要求するものではありません。刑事責任が成立しなくても、過失や損害の具体的な事情により、民事上の賠償が問題となる場合があります。
取下げの前に条文を区別する理由
第357条で告訴を要するのは第352条と第354条から第356条までで、第353条は含まれません。告訴を要する場合の6か月は、刑事訴訟法第237条により、告訴権者が犯人を知った時から数えます。損傷の発見日と、行為者を知った日は異なることがあります。
第238条による取下げは第1審の弁論終結前までで、取り下げた人は再び告訴できません。和解で取下げを約束したかと、実際に手続をしたかを区別します。同じ現場に傷害や脅迫など別の犯罪があれば、その手続上の効果は各罪に従って判断します。
刑法第357條 · 刑事訴訟法第237條 · 刑事訴訟法第238條
直す前と直した後の記録
損傷前後の写真、所有・使用の資料、修理時の診断、現場映像は、対象、機能、行為の経過を別々に示します。急いで修理する場合も、元の写真、故障の説明、持込みや交換部品の記録があれば、費用総額だけでは分からない状況を確認できます。
文書に原本、写し、電子版があるなら、各版の存在と利用できる状態を示します。写しが残ることから原本の破棄が無影響とは決まらず、用途を調べずにあらゆる文書の損壊で権利が完全に失われたとも言えません。機能の喪失は資料で確かめます。