攻撃の終了と再開を時間の流れに沿って見る
「現在」という条件があるため、問題の行為の時点で侵害が存在していたかを確認します。誰が先に手を出したかも関係しますが、途中で争いが止まった、離れた相手を追った、攻撃が再開されたなど、段階が分かれる場合があります。すでに侵害が終わった後、怒りや仕返しのために追いかけて殴る行為は、以前の被害だけでは正当化されません。
一方、映像のある一瞬に相手が拳を振っていないとしても、侵害全体が終了した証明になるとは限りません。道具、距離、一連の動き、双方の状態が事実認定に関わります。前後のつながる資料を残し、中間の数秒だけを切り離して、攻撃か報復かを決めないことが必要です。
同じ人の行為でも、各段階で評価が変わり得ます。侵害を止めようとした初めの動作と、その後の別の追撃が、同じ衝突だから必ず同じ結論になるわけではありません。「すべて自衛だった」とまとめるより、見聞きしたことと実際にした動作を時系列で説明する方が、争点を明らかにできます。
他人を守る行為も含まれるが、侵害の確認は必要
第23条は他人の権利を守る行為も含み、自分の身体だけに限定していません。他人への攻撃を止めるために介入した場合も、侵害の性質と介入の目的を調べます。被害者と知り合いであることは前提ではありませんが、友人の仕返しをする行為が、助けるつもりだったという説明だけで防衛になるわけでもありません。
どの権利を誰の侵害から守り、行為が侵害の排除にどう結び付いたかを具体化します。双方が自分を被害者と呼んでいても、呼び方では動作や時間の証明を代用できません。また、不法な侵害と事故や自然の危険では要件が異なり、身を守る行為がすべて第23条に当たるものではありません。
傷の大小だけで、防衛の程度を決めない
防衛に用いた方法や力は、当時の侵害、道具、距離、可能だった対応と合わせて検討します。条文には、自分と全く同じ程度のけがしか負わせてはならないという公式はありません。先に殴られた人なら無制限に反撃できるわけでもありません。最後の診断書を二つ比較するだけでは、防衛の全条件に答えられません。
防衛が過剰だった場合、第23条は刑を軽減または免除できるとしています。防衛を主張すれば当然に無罪になる規定でも、怖かったと言えば必ず免刑となる規定でもありません。防衛状況があり、その程度を超えたかを分けて調べます。侵害が終わった後の純粋な報復を、常に減免可能な過剰防衛として扱うことはできません。
映像の前後と、証人が見た範囲
防犯カメラや車載カメラ、現場の動画は、元のファイル、前後の部分、撮影日時と位置を残します。音声がない、視界が遮られる、冒頭が欠けている場合には、その限界も示します。最も激しい場面だけでは、相手が先に道具を持ったか、離れたか、追いかけたか、再び近づいたかがわからないことがあります。
証人の立ち位置や到着時刻、声が聞こえた範囲、見た動作も個別に確認します。傷、衣服の損傷、助けを求めた記録は映像と照合できますが、一つだけで全経過を証明できるとは限りません。時点が不明な部分はそのまま区別しておくと、推測と直接見た事実を混同せずに検討できます。