最低法定刑と事件の種類による除外
第273条の1は、被告人が準備手続で先に起訴事実について有罪の陳述をする場合を前提とします。死刑、無期刑、最低法定刑が3年以上の有期自由刑である犯罪、または高等法院が第一審を管轄する事件には適用できません。
最低法定刑とは法律が定める刑の下限です。裁判所が実際に言い渡しそうな刑の予測を指すものではありません。本人が軽い事情だと考えても、この除外要件を予想される宣告刑で置き換えることはできません。罪名と適用条文、第一審の管轄を確認する必要があります。
裁判長による説明と関係者の意見
裁判長は手続の趣旨を被告人に告げ、当事者、代理人、弁護人、補佐人の意見を聴いた後、簡式審判を行う裁定をすることができます。調書に認罪の記載があるだけで、当然に手続が切り替わるのではありません。残る事実や証拠の争いを具体的に示すことが、意見の内容になります。
どの行為を認め、共同行為や結果についても同じ認識なのかは、手続の適否に関係します。客観的な行為の一部を認めたことと、起訴された事実について有罪の陳述をしたことを、単に「認めた」と一括りにはできません。
証拠調べの一部の制限が緩和される
第273条の2は、第159条第1項、第161条の2、第161条の3、第163条の1、第164条から第170条の制限を受けないと列挙しています。通常の手続における公判外の供述や証拠調べの方式の一部が、その対象です。
方式が簡略になることは、証拠を全く調べないことや、提出された資料の内容がすべて真実と確定することとは違います。出所や矛盾、認めた事実の範囲に疑問がある場合、どの資料の何が問題かを明らかにします。手続の名称だけでは、その資料が何を証明するかまでは分かりません。
通常手続に戻す場合と審判の更新
裁判所が簡式審判を行う裁定の後に、適法に利用できない、または適当でないと判断した場合、元の裁定を取り消し、通常手続で審判しなければなりません。その際は原則として審判手続を更新しますが、当事者に異議がない場合は例外です。
簡式審判の裁定を取り消すかという問題と、更新を要するかという問題を区別します。認めた範囲や適用要件に争いがあるなら、争いが示された時点と内容を記録と照合することで、裁判所が何を判断したのかが把握できます。
簡易判決には別の証拠・刑種の条件がある
第449条では、捜査中の自白またはほかの既存の証拠で犯罪を認定するのに十分な場合、第一審裁判所は検察官の申立てにより通常審判を経ずに簡易判決で処罰できます。必要な場合は事前に被告人を訊問しなければなりません。通常起訴の後、被告人が自白し、裁判所が適当と認める場合にも利用できます。
言い渡せる刑は、執行猶予が付く、罰金への換刑が可能、または社会労働への換刑が可能な有期自由刑、ならびに拘役または罰金に限られます。これは簡式審判の最低法定刑や事件種類による除外と異なる基準です。通知書の正式な手続名を残して読むと、適用される条文を取り違えずに確認できます。