着手したか、その犯罪の未遂は処罰されるか
準備、実行への着手、犯罪の完成は、個別の犯罪の事実から判断する段階です。考えを持つ、連絡する、道具を用意する行為が、すべて直ちに着手になるわけではありません。ただし、準備行為自体を別に処罰する規定もあり得るため、未完成だから一律に問題がないともいえません。
第25条だけで、すべての犯罪の未遂が処罰されるものではありません。その罪の未遂を処罰する特別規定を確認する必要があります。処罰される一般の未遂では、既遂犯の刑から軽減することが「できる」とされ、必ず一定の軽減を受けるわけではありません。損失がなかったことだけでは、着手や完成の判断を代用できません。
自分の意思で止めたか、外から止められたか
中止の理由は、第27条を検討する事実の一つです。機器の故障、他人の制止、警察の到着を知った場合と、続けられるのに自分の意思で止めた場合では事情が異なります。後になって「やめたかった」と述べるだけでは足りず、当時何が起こり、続行の余地があり、どう選んだかを照合します。
すでに結果を生じさせる行為を行ったなら、それ以上の動作をしないだけでは、結果を防いだとは限りません。危険の除去や救助などが必要かは、結果に至る過程と結び付けて調べます。手を止める、現場を離れる、結果を発生させないことは、それぞれ違う事実になり得ます。
全力で防止したが、別の理由で結果が起きなかった場合
第27条第1項は、自己の意思による中止や結果防止に加え、防止行為が原因ではなく結果が生じなかったものの、行為者が防止に全力を尽くした場合も、刑を軽減または免除すると定めます。この類型も結果の不発生と全力の防止行為を必要とし、後悔を表明しただけ、関係の薄い動作をしただけで足りるものではありません。
同条を満たした場合の軽減または免除は、一般未遂の裁量的な軽減とは異なります。阻止、通報、救助を求めた時刻と内容、その措置がどう作用したかを残すと、努力と結果の関係を調べられます。唯一の原因にならなかっただけで規定を無視することも、小さな行動を全力の対応と書き換えることもできません。
複数の参加者がいるときの離脱と結果防止
第27条第2項は、正犯や共犯の一人または数人が自己の意思で結果を防止した場合や、防止行為によらず結果が生じなかったが全力を尽くした場合にも適用されます。他の参加者が実行を続けているなら、現場を離れたり、グループに不参加を伝えたりしただけで、結果防止の条件が満たされるとは限りません。
協力の停止、誰に中止を求めたか、結果を止める措置を取ったか、その時刻をそれぞれ確認します。条文は条件を満たした者の減免を扱うため、一人が考え直しただけで全員に同じ効果が生じるものではありません。各人の行動と認識を個別に調べる必要があります。
失敗と、危険のない不能犯は同じではない
第26条は、行為が犯罪の結果を生じさせることができず、かつ危険もない場合を不処罰とします。結果の発生が不可能なことと、危険がないことの両方が条件です。偶然失敗した、相手が気付いた、第三者が救助したというだけで、危険のない不能犯になるわけではありません。
方法、対象、当時の条件、完成しなかった理由が、第25~27条を分ける資料になります。すでに完成した別の犯罪が、後の計画を中止したことで消えるものでもありません。中止の前後がつながる記録を残すことで、着手前、外的障害による未遂、自己の意思による中止、不能で危険もない場合を具体的に区別できます。