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外国人配偶者がDVを受けたら:保護命令、相談先、居留への影響

外国人配偶者も台湾のDV防止法による保護を受けられ、113保護ホットラインでは日本語の通訳を利用できます。別居や離婚が居留(日本でいう在留)に与える影響は、その理由や子どもとの関係によって異なります。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

家庭暴力防治法(台湾のDV防止法)は、配偶者、元配偶者、同居している(していた)人など、身分関係によって「家族」の範囲を決めています(3条)。身の危険が迫っているときは、まず110番へ。113保護ホットラインでは日本語の通訳も利用できます。戸籍を持つ台湾国民の配偶者が、DVを受けて離婚し、その後再婚していなければ、移民署は居留の継続を許可できます(入出國及移民法(入出国及び移民法)31条4項2号)。台湾人の配偶者のうち、経済的に苦しく、帰化前の人や帰化後も台湾の戸籍を設けていない人は、誓約書を出せば、法律扶助の審査で資力がないものと推定されます(台湾の法律扶助法13条3項2号)。

外国人配偶者も家庭暴力防治法で守られますか?

はい。同法3条でいう家族には、配偶者や元配偶者、今または以前に同居していた人などが含まれ、国籍は問われません。家庭内暴力とは、家族の間で行われる身体的、精神的、経済的な嫌がらせ、支配、脅迫その他の不法な侵害をいいます(2条1号)。

保護命令の種類や申立ての方法、命令に違反した場合の効果は、〈DVの保護命令と家庭暴力罪〉で説明しています。このページでは、外国人配偶者ならではの相談先と居留の問題に絞って取り上げます。

中国語が話せなくても、相談できるところはありますか?

あります。身の危険が迫っているときは、まず110番に電話してください。警政署(日本の警察庁にあたる機関)によると、DVの相談は113保護ホットライン(24時間・無料)で受け付けており、英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、日本語の5言語で通訳を利用できるほか、ショートメッセージでも相談できます。

派出所(交番)で被害を届け出るときは、警察が用意している名簿から通訳を手配します。深夜で通訳が見つからないときなどは、1955か1990のホットラインにつないで三者通話で対応します。警政署の説明では、移民署の1990ホットラインは日本語を含む7言語に対応しており、中国語・英語・日本語は24時間利用できます。捜査や裁判で言葉が通じない場合は、法律に基づいて通訳が付きます(刑事訴訟法99条)。

家を出たり別居したりすると、居留を取り消されますか?

必ず取り消されるわけではありません。入出國及移民法24条1項8号は、正当な理由なく依親対象(居留の根拠となっている配偶者)と同居していないと認められる事実があるとき、移民署は居留を許可しないことや、すでに出した許可を取り消したり廃止したりすることが「できる」と定めています。

ポイントは、「正当な理由がない」ことが要件になっている点と、「しなければならない」ではなく「できる」(得)と書かれている点です。DVから逃れるために家を出たことが正当な理由に当たるかどうかは条文に挙げられておらず、移民署が事情に応じて判断します。また家庭暴力防治法は、戸籍を取得する前の外国人配偶者が台湾での居留を守れるよう支えることを、移民を所管する機関の役割と定めています(4条2項7号)。

外國人申請居留或變更居留原因,有下列情形之一者,移民署得不予許可;已許可者,得撤銷或廢止其許可,並註銷其外僑居留證:……八、有事實足認其無正當理由而未與依親對象共同居住,或有關婚姻真實性之說詞、證據不符。(入出國及移民法第24條第1項)

〔非公式要約〕正当な理由なく依親対象と同居していないと認めるに足りる事実などがあれば、移民署は居留を不許可とし、許可済みでも取消しまたは廃止ができます(入出國及移民法24条1項)。

DVが原因で離婚した後も、台湾にとどまれますか?

とどまれる可能性はあります。戸籍を持つ台湾国民の配偶者だった外国人が、DVを受けたことが原因で離婚し、その後再婚していなければ、移民署は引き続き居留を認めることができます(入出國及移民法31条4項2号)。

要件は「DVを受けたために離婚した」ことと「再婚していない」ことです。ここでも条文は「できる」となっていて、認めるかどうかは移民署が審査して決めます。

移民署對於外國人於居留期間內,居留原因消失者,廢止其居留許可,並註銷其外僑居留證。但有下列各款情形之一者,得准予繼續居留:……二、外國人為居住臺灣地區設有戶籍國民之配偶,因遭受家庭暴力離婚,且未再婚。(入出國及移民法第31條第4項)

〔非公式要約〕居留の原因が消えれば居留許可は廃止されますが、戸籍を持つ国民の配偶者がDVを受けて離婚し再婚していない場合などは、継続を許可できます(入出國及移民法31条4項)。

台湾に子どもがいる場合、居留はどうなりますか?

離婚した後も、台湾に戸籍のある未成年の子を実際に育てている、親としての権利義務を担っている、または子と面会交流をしているときは、移民署は居留の継続を認めることができます(入出國及移民法31条4項3号)。居留許可が取り消されて強制出国になると、その子に重大で取り返しのつかない損害が生じるおそれがある場合も同じです(4号)。これらの理由で居留を認められた人は、子が成年になった後も、引き続き居留を認められることがあります(同条5項)。

すでに入国禁止の処分を受けている場合について、移民署は、「禁止外國人入國作業規定」(入国禁止の運用基準)の要件を満たせば、禁止期間の半減や短縮、または入国禁止をしないことを申請できると説明しています。対象となる類型のひとつが「DVを受けて判決で離婚し、台湾に戸籍のある未成年の子がいる」場合です。申請には判決書と子の証明書類が必要で、本人の台湾人または外国人の配偶者か、台湾人の親族が申請します。

すでに居留の期限を過ぎてしまったら?

戸籍を取得する前の外国人配偶者が、DVのために停留(短期滞在)や居留の期限を過ぎてしまった場合は、移民を所管する機関が対応する事項とされています(家庭暴力防治法4条2項7号)。犯罪の被害にあったために期限を過ぎた外国人についても、台湾での居留などが守られるよう、移民を所管する機関が支援することになっています(犯罪被害人權益保障法(犯罪被害者権益保障法)6条2項5号)。

期限を過ぎると、新台湾ドル1万元以上5万元以下の過料(罰鍰)が科されます。ただし、特別な事情があると主管機関が認めれば、減額や免除を受けられることがあり、その基準は主管機関が定めています(入出國及移民法74条の1第2項、4項、5項)。居留や停留のルールについては、まず1990に電話で問い合わせることができます。

法律扶助を申請できますか?

申請できます。台湾人の配偶者のうち、経済的に苦しく、帰化前の人や帰化後も台湾の戸籍を設けていない人は、誓約書(切結)を出せば資力がないものと推定され、資力の審査を受ける必要がありません(法律扶助法13条3項2号)。費用と手続きの流れは〈弁護士費用と法律扶助の資格〉をご覧ください。

中華民国(台湾)籍のない人が扶助を受けられるのは、台湾に合法的に住んでいる場合や、自分に責任のない理由で居留の権利を失った場合などです(14条1項1号、2号)。法律扶助基金会によれば、法律相談は、身分や資格を問わず台湾にいる人なら誰でも利用できます(412-8518)。

有下列情形之一者,經切結後推定為無資力,無須審查其資力:一、依就業服務法第四十六條第一項第八款至第十款引進之外國人。二、經濟弱勢且尚未歸化或歸化後尚未設有戶籍之國人配偶。(法律扶助法第13條第3項)

〔非公式要約〕一定の職種で受け入れた外国人労働者、および台湾人の配偶者で経済的に苦しく、帰化前または帰化後も台湾の戸籍がない人は、誓約により資力がないと推定されます(法律扶助法13条3項)。

居留・離婚・子どもの問題を整理する

居留、離婚、子ども、刑事告訴の問題は同時に起こることがあり、それぞれ要件も違います。全体をまとめて整理したいときは、ご相談ください。このページは一般的な説明で、個別の事件についての法的助言ではありません。

出典:警政署、移民署、法律扶助基金會。