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前科は残りますか? 執行猶予と良民証(警察刑事紀録証明)

良民証(警察刑事紀録証明)に記載されない処分でも、事件の司法記録そのものが消えるとは限りません。執行猶予の効力と、証明書への記載は分けて確認する必要があります。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

2年以下の有期徒刑(台湾の有期の自由刑)、拘役(短期の拘禁刑)または罰金を言い渡された人が、台湾刑法第74条の前科に関する条件を満たし、裁判所が刑の執行をしばらく見合わせるのが相当と判断すれば、2~5年の執行猶予(台湾でいう「緩刑」)を付けることができます。猶予期間中に、故意に犯した別の罪で6か月を超える有期徒刑が確定すると、執行猶予は必ず取り消されます。それより軽い刑の場合や、命じられた事項に重大な違反があった場合は、取り消されることがあります(第75条、第75条の1)。取り消されずに期間が満了すれば、刑の言渡しは効力を失います(第76条)。また、「警察刑事紀錄證明核發條例」第6条は、取り消されていない執行猶予を含む7種類の記録を証明書に記載しないと定めています。ただし、証明書に載るかどうかと、司法機関に資料が残るかどうかは別の問題です。

どんな場合に執行猶予が付きますか?

言い渡された刑が2年以下の有期徒刑、拘役または罰金で、しばらく執行しないのが相当と認められる場合、裁判所は2~5年の執行猶予を付けることができます。ただし、これまで故意の犯罪で有期徒刑以上の刑を言い渡されたことがないか、言い渡されたことがあっても、その刑の執行を終えるか赦免を受けてから5年以内に、故意の犯罪で有期徒刑以上の刑を言い渡されていないことが必要です。猶予期間は、裁判が確定した日から数えます(刑法第74条第1項)。

前科の条件を満たしていても、執行猶予が当然に付くわけではありません。付けるかどうかは、裁判所が事件ごとに判断します。

受二年以下有期徒刑、拘役或罰金之宣告,而有下列情形之一,認以暫不執行為適當者,得宣告二年以上五年以下之緩刑,其期間自裁判確定之日起算:一、未曾因故意犯罪受有期徒刑以上刑之宣告者。二、前因故意犯罪受有期徒刑以上刑之宣告,執行完畢或赦免後,五年以內未曾因故意犯罪受有期徒刑以上刑之宣告者。(刑法第74條第1項)

〔非公式要約〕刑法第74条第1項は、所定の刑と犯罪歴の条件を満たし、刑の一時不執行が相当な場合に、2~5年の執行猶予を認めています。必ず言い渡すという規定ではありません。

執行猶予に条件が付くことはありますか?

裁判所は事情に応じて、被害者への謝罪、反省文の作成、財産的・精神的損害の賠償、公庫への一定額の支払い、一定時間の義務労務(社会奉仕)、依存症の治療など、適切な事項を命じることができます(第74条第2項)。

命じられた事項は判決書に記載されます。このうち賠償と公庫への支払いは、民事の強制執行の根拠にすることができます(第3項・第4項)。なお、執行猶予の効力は、従刑(主刑に付け加えて科される刑)、保安処分、没収には及びません(第5項)。

猶予期間中に別の罪を犯すと、必ず取り消されますか?

必ずとは限りません。猶予期間の前か期間中に故意に別の罪を犯し、猶予期間中にその罪で6か月を超える有期徒刑が確定した場合は、執行猶予を取り消さなければなりません。この取消しの申立ては、その判決の確定から6か月以内にする必要があります(刑法第75条)。

一方、次の場合は、元の執行猶予では期待した効果が上がらず、刑を執行する必要があると裁判所が認めたときに限って、取り消すことができます(第75条の1)。言い渡されたのが6か月以下の有期徒刑、拘役または罰金だった場合、猶予期間中に過失で罪を犯して有期徒刑が確定した場合、命じられた条件に重大な違反があった場合です。「効果が上がらない」と言えるかどうかは、個別の事実から判断されます。

執行猶予の期間が満了すると、どうなりますか?

取り消されずに期間が満了すると、刑の言渡しは効力を失います。ただし、第75条第2項または第75条の1第2項にもとづき、期間満了後に取り消された場合は別です(刑法第76条)。

ただ、「刑の言渡しが効力を失う」といっても、判決やすべての公的記録が消えるわけではありません。警察の証明書に何が載るか、ほかの資料がどう保存・照会されるかは、それぞれ別の規定で決まります。

緩刑期滿,而緩刑之宣告未經撤銷者,其刑之宣告失其效力。但依第七十五條第二項、第七十五條之一第二項撤銷緩刑宣告者,不在此限。(刑法第76條)

〔非公式要約〕刑法第76条は、取消しなく執行猶予が満了した場合、所定の満了後取消しの例外を除き、刑の言渡しの効力が失われると定めています。

良民証(警察刑事紀録証明)とは何ですか? どこで申請できますか?

警察刑事紀録証明(いわゆる良民証)は、司法機関または軍事司法機関で確定・執行された刑事事件の資料をもとに作成される証明書です(「警察刑事紀錄證明核發條例」第3条)。台湾に現在または過去に戸籍がある人、居留・停留の記録がある人は、申請書と身分証明書を添えて直轄市または県(市)政府の警察局に申請できます(第4条)。戸籍地や居留地の警察局でなければならない、という規定はありません。原則として、受理した翌日から3営業日以内に発行されますが、司法機関などへの照会が必要な場合は例外です(第5条)。

良民証に記載されないのは、どんな記録ですか?

同条例第6条は、証明書に記載しない記録として次の7種類を定めています。少年事件処理法第83条の1第1項に当たる場合、執行猶予が付いて取り消されていない場合、拘役または罰金の言渡し、刑の免除の判決、刑の執行の免除、法律で刑罰が廃止された場合、そして罰金への換刑(易科罰金)または刑法第41条第2項による社会労働(易服社会労働)を終えてから5年間、有期徒刑以上の刑を言い渡されていない場合です。

この7種類に当たらない通常の有期徒刑の言渡しは、良民証に記載されます。自分の記録が例外に当たるかどうかは、法令とご自身の事実関係を照らし合わせて確認する必要があります。

警察刑事紀錄證明應以書面為之;明確記載有無刑事案件紀錄。但下列各款刑事案件紀錄,不予記載:一、合於少年事件處理法第八十三條之一第一項規定者。二、受緩刑之宣告,未經撤銷者。三、受拘役、罰金之宣告者。四、受免刑之判決者。五、經免除其刑之執行者。六、法律已廢除其刑罰者。七、經易科罰金或依刑法第四十一條第二項之規定易服社會勞動執行完畢,五年內未再受有期徒刑以上刑之宣告者。(警察刑事紀錄證明核發條例第6條)

〔非公式要約〕第6条第2号は、執行猶予の言渡しが取り消されていない場合を、警察刑事紀録証明に記載しないものとして明記しています。

良民証に載らなければ、司法の記録も消えるのですか?

同じではありません。第3条は、証明書を刑事事件の資料にもとづいて作る文書と定め、第6条は証明書に何を記載するかを定めているだけです。警察や裁判所に元の事件資料をすべて消すよう命じる規定ではありません。証明書に何が載るかと、判決やほかの機関の資料が残るかどうかは、別の問題です。

裁判記録の閲覧や保存、資格・免許の審査で過去の判決がどう扱われるかは、それぞれ別の規定で決まります。ここではすべてを取り上げていないので、個別の申請で問題になりそうなときはご相談ください。

判決と証明書の記載を確認する

執行猶予の要件を満たすか、猶予期間中に何に気をつければ取り消されずに済むか、良民証に何が載るかを確認したいときは、判決の確定前後の早い時期にご相談ください。確認すべき時期と条件は、事件ごとに違います。このページは一般的な情報の提供であり、個別の事件の結果を予測するものではありません。

執行猶予の要件を満たすか、良民証に記載されるかを確かめたい方は、ご相談ください。

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根拠法令(台湾・全國法規資料庫)台湾刑法 ↗「警察刑事紀錄證明核發條例」 ↗