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台湾旅行中に刑事事件に関わったら、予定どおり帰国できる? 出境制限・停留延長・簡易判決

台湾で事情聴取を受けても、出国できるかは出境制限の有無などによって変わります。制限されている間も停留期限への対応は必要で、事件の終了と滞在手続きを別に確認します。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

司法機関から出境制限の通知を受けた外国人は、移民署によって出国を止められます(入出國及移民法(入出国及び移民法)21条)。ただし、法定刑の上限が拘役か罰金だけの事件では、ほかの処分を伴わずに直接(「逕行」で)出境制限をかけることはできません(台湾の刑事訴訟法93条の2第1項ただし書)。制限を受けているかどうかは、外国人でも各地にある移民署の服務站で照会できます。停留期限が迫ったら、期限が切れる前に延長か停留ビザを申請してください。予定どおり出国できるかは、出境制限の処分と事件の進行状況を確認して判断します。

警察で事情を聞かれた後でも、予定の便で出国できますか?

ポイントは、司法機関から出境制限の通知が出ているかどうかです。通知を受けた外国人について、移民署(内政部移民署)は出国を禁止し、出国審査の場で書面を渡して理由を伝えなければなりません(入出國及移民法21条)。出国禁止の処分を受けているのに出国すると、同法74条1項により処罰されます。

出境制限を受けずに出国できたとしても、それで刑事事件が終わるわけではありません。被告(台湾では起訴前の捜査対象者も含みます)が正式に呼び出されたのに正当な理由なく出頭しなければ拘提(勾引)されることがあり(刑事訴訟法75条)、逃亡したり身を隠したりすれば通緝(指名手配)されることがあります(同法84条)。出国する前に、事件の中での自分の立場と、出頭しなければならないかどうかを確かめておきましょう。詳しくは地方検察署の呼出状を受け取ったのに出頭しないとどうなるかをご覧ください。

刑事事件の出境制限(限制出境)は、検察官か裁判官が刑事訴訟法93条の2第1項に基づいて決めます。通知の書面、制限の期間、不服の申立て方法は出境制限を受けたら?期間、通知と救済をご覧ください。

外國人有下列情形之一者,移民署應禁止其出國:一、經司法機關通知限制出國。二、經財稅機關或各權責機關依法律通知限制出國。依前項規定禁止出國者,移民署於查驗時,當場以書面交付當事人,並告知其禁止出國之理由。(入出國及移民法第21條第1項、第2項)

〔非公式要約〕司法機関や税務機関などから出国制限の通知を受けた外国人について、移民署は出国を禁止し、出国審査の際にその場で書面を渡して理由を告げます(入出國及移民法21条1項、2項)。

法定刑が拘役や罰金だけの事件でも、出境制限を受けますか?

直接かけること(逕行限制)はできません。法定刑の上限が拘役(短期の自由刑)か罰金だけの事件では、検察官も裁判官も、直接に出境制限(出海制限を含む)をかけることはできません(刑事訴訟法93条の2第1項ただし書)。たとえば中華民國刑法309条1項の公然侮辱罪は、法定刑が「拘役または9000元以下の罰金」なのでこれにあたりますが、暴行を用いた場合(同条2項)は有期徒刑も含まれます。

ただし書が禁じているのは「逕行」、つまりほかの処分を伴わずに直接制限することだけです。93条の6により、ほかの規定で具保(保証金の納付)、責付、住居制限を命じられる場合には、出境制限も命じることができます。飲酒運転(中華民國刑法185条の3)や傷害(同法277条1項)などの罪は、法定刑にいずれも有期徒刑が含まれるので、ただし書の対象にはなりません。罪名ごとの説明は飲酒運転の公共危険罪:アルコール検査の基準、流れと処理、傷害罪:親告罪、告訴期限と示談による告訴取下げ、公然侮辱と名誉毀損:親告罪、6か月の期間と113年憲判字第3号をご覧ください。

被告犯罪嫌疑重大,而有下列各款情形之一者,必要時檢察官或法官得逕行限制出境、出海。但所犯係最重本刑為拘役或專科罰金之案件,不得逕行限制之:一、無一定之住、居所者。二、有相當理由足認有逃亡之虞者。三、有相當理由足認有湮滅、偽造、變造證據或勾串共犯或證人之虞者。(刑事訴訟法第93條之2第1項)

〔非公式要約〕被告が罪を犯した疑いが強く、住居が定まらない、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると考える相当な理由があるなどの場合には、検察官や裁判官は必要に応じて直接に出境制限をかけられますが、法定刑の上限が拘役または罰金のみの事件では、直接には制限できません(刑事訴訟法93条の2第1項)。

出境制限を受けているか、どう確かめればよいですか?

各県・市にある移民署の服務站(サービス窓口)で照会できます。移民署の案内によると、外国人も台湾に戸籍のある国民と同じ扱いで、必要な書類をそろえれば、本人が行くか、人に頼んで照会してもらうことができ、手数料はかかりません。窓口の受付時間は月曜から金曜の8時から17時です。照会できるのは本人の情報だけで、本人の同意と委託がなければ、他人の情報は調べられません。

出境制限を受けている間に、停留期限が近づいたら?

期限が切れる前に申請してください。期限後も停留を続ける必要がある外国人は、移民署に延長を申請しなければなりません(入出國及移民法31条1項)。移民署への停留延長は、期限の15日前から申請でき、申請書、旅券、停留ビザ(停留簽證)などを提出します。停留期間は合計で6か月を超えられません。同条2項には、さらに延長できる事情(たとえば法律に基づいて身柄を拘束されている場合)が別に挙げられていますが、出境制限がこれにあたるかどうかは条文にはっきり書かれていないので、まず移民署に確認してください(外國人停留居留及永久居留辦法(外国人の停留、居留及び永久居留に関する規則)3条)。

ビザ免除(免簽證)で入国した人が、外國護照簽證條例施行細則4条のいずれかの事情(急性の重い病気、天災その他の不可抗力、その他の正当な理由)で期限内に出国できないときは、外交部領事事務局かその支部に停留ビザを申請します(同辦法4条)。出境制限がこれにあたるかどうかも条文に直接の定めがないので、まず受付機関に確認してください。期限を過ぎて滞在すると、新台湾ドル1万元以上5万元以下の過料(罰鍰)が科されます(入出國及移民法74条の1第2項)。

事件がどう終われば、出境制限は取り消されたものとみなされますか?

不起訴や緩起訴の処分を受けたとき、または無罪、免訴、刑の免除、執行猶予(緩刑)、罰金、訓誡への代替などの判決を受けたときは、出境制限は取り消されたものとみなされます。ただし、上訴期間中や上訴中は、必要があれば制限が続くことがあります(刑事訴訟法93条の4)。それまでの間も、被告と弁護人は制限の取消しや変更を申し立てることができます(93条の5第1項)。

簡易判決とは? 法廷での審理はありますか?

通常の公判手続きは経ません。第一審の裁判所は、捜査中の被告の自白やそのほかの証拠で犯罪が十分に認められるときは、検察官の請求を受けて、そのまま簡易判決で刑を言い渡すことができます。ただし、必要があれば、その前に被告に質問しなければなりません(刑事訴訟法449条1項)。言い渡せる刑は、執行猶予付きのもの、易科罰金(刑を罰金の納付に換えること)や社会労働(易服社會勞動)に換えられる有期徒刑と拘役、罰金に限られます(同条3項)。

判決の執行は検察官が指揮します(457条1項)。易科罰金の要件と流れは起訴状が届いたら:裁判の流れ、認罪協商、罰金への換算をご覧ください。なお、簡易判決は日本の略式手続に似ていますが、罰金だけでなく一定の有期徒刑や拘役も言い渡せる点が違います。

台湾で刑事記録が残ると、次の入国に影響しますか?

影響することがあります。台湾または外国で犯罪歴がある外国人について、移民署は入国を禁止できます(入出國及移民法18条1項7号)。同項12号の「過去に停留・居留の期限を超えて滞在した、または不法に働いたことがある」場合も同じです。また刑法95条は、有期徒刑以上の刑を言い渡された外国人を、刑の執行を終えた後や赦免の後に国外退去(驅逐出境)させることができると定めています。

出境制限と停留期限を確認する

出境制限の書面を受け取ったとき、停留期限が迫っているとき、事件が出国にどう影響するかを確かめたいときは、まずご相談ください。本記事は一般的な説明であり、個別の事件についての法的助言ではありません。

予定どおり出国できるか分からないときは、昊鼎國際法律事務所 臺中所へまず一度ご相談ください。

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