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口座が詐欺に使われたら:口座提供罪と詐欺幇助の分かれ目

口座の提供に対する告誡と刑事罰は、対価の約束、口座数、過去の告誡などで区別されます。詐欺幇助の成否は、詐欺を助ける故意の有無を別に検討します。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

自分の口座を他人に渡したり使わせたりすることは、台湾の洗錢防制法で原則として禁止されています。同法第22条では、初めての違反で同条第3項に当たる事情がなければ、警察は原則として、行政処分の「告誡」(警告)をします。一方、対価を約束したり受け取ったりした場合、渡した口座が合計3つ以上ある場合、告誡から5年以内にまた違反した場合などは同項の罪となり、最長3年の有期徒刑が科されることがあります。これに当たらなくても、詐欺幇助など別の犯罪が成立するかどうかは別に判断されます。なお、詐欺幇助が成立するには、他人の詐欺を助ける故意が必要です。

口座を他人に使わせるだけで、なぜ違法になるのですか?

金融機関、暗号資産サービス事業者、第三者決済サービス事業者で開設した口座やアカウントは、自分名義でも他人名義でも、原則として他人に渡したり使わせたりしてはいけません(洗錢防制法第22条第1項)。ただし、通常の商取引や金融取引の慣行に沿う場合、家族や友人との信頼関係にもとづく場合、そのほか正当な理由がある場合は例外です。

任何人不得將自己或他人向金融機構申請開立之帳戶、向提供虛擬資產服務或第三方支付服務之事業或人員申請之帳號交付、提供予他人使用。但符合一般商業、金融交易習慣,或基於親友間信賴關係或其他正當理由者,不在此限。(洗錢防制法第22條第1項)

〔非公式要約〕第22条第1項は、金融機関等の口座・アカウントを他人に交付・提供することを原則として禁止し、通常の商取引・金融取引の慣行に沿う場合、親族・友人間の信頼関係による場合、その他正当な理由がある場合を除外しています。

警察から「告誡」を受けたら、もう犯罪が成立したことになりますか?

いいえ。告誡は、直轄市や県・市の警察機関が第22条第2項にもとづいて行う行政処分で、有罪判決を受けたわけではありません。ただし、初めての違反でも、対価の約束や受け取りがあった、合計3つ以上の口座を渡した、といった事情があれば同条第3項の罪になり得ます。告誡から5年以内の再違反も、処罰の対象となる別の事由です。告誡から5年を過ぎて再び違反し、第3項のほかの事由もない場合は、改めて警察の告誡となります。

口座を渡して刑事責任を問われるのは、どんな場合ですか?

刑事罰の対象になるのは、対価を約束したり受け取ったりして口座を渡した場合、渡した口座・アカウントが合計3つ以上になる場合、警察の告誡を受けてから5年以内にまた違反した場合のいずれかです。刑は3年以下の有期徒刑、拘役(短期の拘禁刑)または100万台湾ドル以下の罰金で、有期徒刑や拘役に罰金をあわせて科されることもあります(第22条第3項)。はじめの二つの場合は、刑事手続きとは別に、警察が第2項の告誡もあわせて行います(第22条第4項)。

違反第一項規定而有下列情形之一者,處三年以下有期徒刑、拘役或科或併科新臺幣一百萬元以下罰金:一、期約或收受對價而犯之。二、交付、提供之帳戶或帳號合計三個以上。三、經直轄市、縣(市)政府警察機關依前項或第四項規定裁處後,五年以內再犯。(洗錢防制法第22條第3項)

〔非公式要約〕第22条第3項の刑事罰は、①対価の約束・受領、②合計3以上の口座・アカウントの提供、③告誡処分から5年以内の再違反のいずれかを要件とします。

資金洗浄にまで当たると、刑はさらに重くなりますか?

はい。口座の交付・提供は第22条の対象になり得ますが、それとは別に、第19条の資金洗浄罪やその幇助犯が成立するかも検討します。たとえば、詐欺で得たお金を隠したり出所をごまかしたりする行為や、他人の特定犯罪で得た収益を受け取る・持つ・使う行為です。法定刑は3年以上10年以下の有期徒刑と1億台湾ドル以下の罰金の併科で、洗浄した財物や財産上の利益が1億台湾ドルに満たない場合は、6か月以上5年以下の有期徒刑と5,000万台湾ドル以下の罰金の併科です。この点について、台湾の最高法院(刑事大法廷)は108年度台上大字第3101号裁定(2020年)で、キャッシュカードと暗証番号を見知らぬ人に渡すこと自体は、資金洗浄罪の正犯にはならないと判断しました。ただし、その口座が犯罪収益の受け取りや引き出しに使われるかもしれないと分かっていながら、手助けするつもりで渡した場合は、一般資金洗浄罪の幇助犯になるとしています。この裁定は改正前の洗錢防制法第14条第1項を対象としています。現在の一般資金洗浄罪は第19条、口座の交付・提供に関する規定は第22条です。個別の行為については、行為時の法律と現行法の構成要件を区別し、どの規定が適用されるかを判断します。どちらに当たるかは、行為の態様と本人がどこまで認識していたかによって、個別の事実から判断されます。

有第二條各款所列洗錢行為者,處三年以上十年以下有期徒刑,併科新臺幣一億元以下罰金。其洗錢之財物或財產上利益未達新臺幣一億元者,處六月以上五年以下有期徒刑,併科新臺幣五千萬元以下罰金。(洗錢防制法第19條第1項)

〔非公式要約〕第19条第1項は、第2条所定の資金洗浄行為を処罰し、対象の財物・財産上の利益が1億台湾ドル未満の場合には別の法定刑を定めています。

口座の提供とは別に、詐欺幇助に問われることがあるのはなぜですか?

刑法第30条は、他人の犯罪を手助けした人を幇助犯とし、手助けされた本人(正犯)がそれを知らなかった場合も同じ扱いにしています。幇助犯の刑は、正犯の刑を基準に減軽することができます。正犯の行為が第339条の詐欺罪に当たるとき、口座を渡した人に詐欺を助ける故意があれば、詐欺罪の幇助犯として処罰されるおそれがあります。この故意には、「結果が起きるかもしれないと分かっていながら、それでも構わないと考えていた」という未必の故意も含まれます(第13条第2項)。成立するかどうかは、口座を渡した理由、対価の有無、渡し方などの具体的な事実から判断されます。このページで個別の事件の結果を予測することはできません。

幫助他人實行犯罪行為者,為幫助犯。雖他人不知幫助之情者,亦同。幫助犯之處罰,得按正犯之刑減輕之。(刑法第30條)

〔非公式要約〕刑法第30条は、他人の犯罪行為の幇助を、正犯がそれを知らなかった場合も含めて処罰し、刑を正犯の刑に応じて減軽できると定めます。

取調べの前に、どんな証拠を残しておけばよいですか?

口座を渡した理由がわかる資料、相手とのメッセージのやり取り、振込や出金の明細、相手の連絡先を保存しておきましょう。資料がそろっているほど、口座を渡したときの実際の状況を説明しやすくなります。

警察の出頭通知や検察の呼出状が届いたら、有罪が決まったのですか?

いいえ。警察からの出頭通知は、捜査で証拠を集める手続きの一つにすぎません。取調べの前に準備しておくことと、あなたの権利については、警察から「出頭して説明を」という通知書が届いたらで説明しています。事件が地方検察署に移ると、検察官による取調べ(偵査庭)が開かれます。台湾では、捜査の段階で疑いをかけられている人も「被告」と呼ばれ、日本の「被告人」より広い意味で使われます。その流れは地方検察署から「被告」として呼出状が届いたら:取調べの流れと事前の準備をご覧ください。

出頭通知や口座制限を受けた場合

警察や地方検察署から通知が届いたとき、口座が警示口座(取引停止措置を受けた口座)に指定されたとき、自分のしたことが犯罪になるのか分からないときは、取調べを受ける前に一度ご相談ください。このページは一般的な情報の提供であり、個別の事件への法的意見ではありません。

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