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窃盗・ひったくり・強盗は何が違う? 成立要件と刑罰

他人の物を取る行為は、窃取、ひったくり、抵抗を抑える暴行・脅迫など、手段によって罪名と法定刑が変わります。盗んだ後の暴行が準強盗に当たる場合もあります。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

窃盗罪は、自分や第三者のものにする(不法に所有する)意図で他人の動産を盗む罪で、法定刑は5年以下の有期徒刑(台湾の有期の自由刑)、拘役(短期の自由刑)または50万台湾ドル以下の罰金です(刑法第320条)。住居への侵入や凶器の携帯などを伴うと加重窃盗となり、6か月以上5年以下の有期徒刑です(第321条)。「搶奪」(ひったくり)は、相手が防ぐ間もないすきに他人の動産を奪い取る罪で、6か月以上5年以下です(第325条)。暴行や脅迫などで相手を抵抗できない状態にして物を奪う強盗は5年以上で、搶奪や窃盗よりはっきり重くなります(第328条)。窃盗や搶奪の犯人が、盗品の確保、逮捕の回避、証拠の隠滅を目的として、その場で相手の抵抗を困難にする程度の暴行・脅迫を加えた場合は、準強盗として強盗の刑で処罰されます(第329条、司法院釈字第630号)。窃盗事件は、第二審の判決の後は原則として第三審へ上訴できません(例外があります)。実際の刑の重さは事件ごとの事実と証拠によって決まり、このページでは結果の予測はしません。

窃盗罪が成立するのは?(第320条)

自分や第三者のものにする意図で他人の動産を盗むと窃盗罪となり、5年以下の有期徒刑、拘役または50万台湾ドル以下の罰金です。不法な利益を得る目的で他人の不動産をひそかに占拠した場合(竊佔)も、同じ規定で処罰されます。どちらも未遂が処罰されます(第320条)。

中心となる要件は、持ち主の意思に反して物の占有を移す「窃取」と、不法に所有する意図です。その意図があったかどうかは、事件ごとの事実と証拠から判断されます。

意圖為自己或第三人不法之所有,而竊取他人之動產者,為竊盜罪,處五年以下有期徒刑、拘役或五十萬元以下罰金。意圖為自己或第三人不法之利益,而竊佔他人之不動產者,依前項之規定處斷。前二項之未遂犯罰之。(刑法第320條)

〔非公式要約〕刑法第320条は、不法所有の意図による動産の窃取、不法利益を図る不動産の占有、両者の未遂を定めます。

加重窃盗になる6つの場合とは?(第321条)

窃盗に次のいずれかの事情が加わると加重窃盗となり、6か月以上5年以下の有期徒刑で、50万台湾ドル以下の罰金をあわせて科されることもあります。未遂も処罰されます。①住居や人が住んでいる建物、船に侵入して(または中に隠れて)盗んだ場合、②扉や窓、塀などの防犯設備を壊したり乗り越えたりして盗んだ場合、③凶器を持って盗んだ場合、④3人以上で盗んだ場合、⑤火災や水害などの災害に乗じて盗んだ場合、⑥駅、港、空港や、公共交通の船・車両・航空機の中で盗んだ場合です(第321条第1項)。

ひとつでも当てはまれば、刑の下限が6か月の有期徒刑に上がります。拘役や罰金を選べる通常の窃盗とは、ここが大きく違います。

ひったくり(搶奪)は窃盗と何が違う?(第325・326条)

自分や第三者のものにする意図で他人の動産を奪い取る行為は「搶奪」という罪になり、6か月以上5年以下の有期徒刑です。これによって人を死亡させれば無期徒刑または7年以上の有期徒刑、重傷を負わせれば3年以上10年以下の有期徒刑で、未遂も処罰されます(第325条)。窃盗との違いは、こっそり盗むのではなく、相手が抵抗する間もないすきに公然と奪い取る点にあります。「人の不意を突いて奪う」という説明は実務でよく使われるもので、条文の文言そのものではありません。

凶器を持っていた、3人以上だったなど、第321条第1項の加重事由があれば加重搶奪となり、1年以上7年以下の有期徒刑です。未遂も処罰されます(第326条)。

強盗罪の要件と刑罰は?(第328条)

自分や第三者のものにする意図で、暴行、脅迫、薬物、催眠術などの手段により相手を抵抗できない状態にし、物を奪ったり差し出させたりすると強盗罪となり、5年以上の有期徒刑です。同じ手段で不法に財産上の利益を得たり、第三者に得させたりした場合も同じです(第328条第1・2項)。相手が抵抗できなくなるほど強い手段を使うことが、窃盗や搶奪にはない強盗の特徴です。

これによって人を死亡させた場合は死刑、無期徒刑または10年以上の有期徒刑、重傷を負わせた場合は無期徒刑または7年以上の有期徒刑です(第3項)。第1・2項の罪は未遂も処罰され、強盗の準備(予備)をしただけでも、1年以下の有期徒刑、拘役または9,000台湾ドル以下の罰金です(第4・5項)。

意圖為自己或第三人不法之所有,以強暴、脅迫、藥劑、催眠術或他法,至使不能抗拒,而取他人之物或使其交付者,為強盜罪,處五年以上有期徒刑。以前項方法得財產上不法之利益或使第三人得之者,亦同。犯強盜罪因而致人於死者,處死刑、無期徒刑或十年以上有期徒刑;致重傷者,處無期徒刑或七年以上有期徒刑。第一項及第二項之未遂犯罰之。預備犯強盜罪者,處一年以下有期徒刑、拘役或九千元以下罰金。(刑法第328條)

〔非公式要約〕刑法第328条は、相手を抵抗できない状態にする暴行・脅迫などによる財物または不法な利益の取得、死亡・重傷による加重、未遂と予備の刑罰を定めます。

準強盗とは?(第329条)

窃盗や搶奪の犯人が、盗品の確保、逮捕の回避、証拠の隠滅を目的として、その場で相手の抵抗を困難にする程度の暴行・脅迫を加えた場合は、準強盗として強盗の刑で処罰されます(第329条、司法院釈字第630号)。この場合は窃盗や搶奪の罪ではなく、第328条の強盗罪の刑で処罰されます。

成立には、盗品を守る・逮捕を逃れる・証拠を隠すという目的、その場での行為、相手の抵抗を困難にする程度の暴行・脅迫が必要です。当たるかどうかは、具体的な事実から判断されます。

竊盜或搶奪,因防護贓物、脫免逮捕或湮滅罪證,而當場施以強暴脅迫者,以強盜論。(刑法第329條)

〔非公式要約〕刑法第329条は、窃盗・搶奪に際して時間的に「その場で」、盗品を守り、逮捕を免れ、または証拠を隠すために暴行・脅迫をした場合を強盗とみなします。

加重強盗とは?(第330条)

強盗に第321条第1項の加重事由のどれか(住居への侵入、凶器の携帯、3人以上での犯行など)が加わると加重強盗となり、7年以上の有期徒刑です。未遂も処罰されます(第330条)。

窃盗事件は、第二審の判決の後に第三審へ上訴できる?

刑法第320・321条の窃盗事件は、第二審の判決を受けた後は、原則として第三審へ上訴できません。ただし、第一審の無罪、免訴、不受理、管轄違いの判決を第二審が取り消して有罪とした場合は、被告人や、被告人の利益のために上訴できる人が第三審へ上訴できます(刑事訴訟法第376条第1項第3号と同項ただし書)。

このページで取り上げた罪のうち、この制限を受けるのは窃盗だけです。搶奪、強盗、準強盗は同条第1項に挙げられていないので、この上訴の制限が当然に適用されるわけではありません。

下列各罪之案件,經第二審判決者,不得上訴於第三審法院。但第一審法院所為無罪、免訴、不受理或管轄錯誤之判決,經第二審法院撤銷並諭知有罪之判決者,被告或得為被告利益上訴之人得提起上訴:……三、刑法第三百二十條、第三百二十一條之竊盜罪。(刑事訴訟法第376條第1項)

〔非公式要約〕刑事訴訟法第376条第1項は、第320・321条の窃盗事件について第三審上訴を原則制限し、第一審の無罪等が第二審で取り消され有罪となった場合に、被告人側の上訴を認める例外を定めます。

行為の経緯と適用される罪名

警察の事情聴取から検察の捜査、裁判まで、どの段階でも、窃盗・搶奪・強盗のどれに当たるかで、弁護の方針や手続きの選び方が大きく変わります。警察からの通知や検察の呼出状を受け取ったら、できるだけ早くご相談ください。このページは一般的な説明で、個別の事件についての法的意見ではありません。

窃盗・搶奪・強盗の事件で、ご自身の状況を知りたい方はご相談ください。

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