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犯罪の被害者は、刑事裁判に参加できますか?

一定の犯罪の被害者は、起訴後から第二審の弁論終結前までに訴訟参加を申し立てられます。参加を申し立てていない被害者にも、付添いや意見を述べるための保障があります。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

参加できますが、対象となる罪と申立ての時期に制限があります。刑事訴訟法第455条の38に定める罪の被害者は、検察官が起訴した後、第二審の口頭弁論が終わるまでの間に、裁判所へ訴訟参加を申し立てることができます(日本の被害者参加制度に近い仕組みです)。認められると期日の通知が届き、証拠や量刑の範囲について意見を述べられます。参加を申し立てない被害者にも、付添いや意見陳述などの保護があります。刑事手続きのなかでも、被害者が声を上げ、助けを求められる場は法律で確保されています。

どんな事件なら参加を申し立てられますか?

刑事訴訟法第455条の38第1項で対象とされているのは、次の罪の被害者です。

  • 故意または過失によって、人を死亡させたり重傷を負わせたりした罪。
  • 刑法で個別に挙げられている罪。たとえば第271条第1項・第2項(殺人とその未遂)、第278条第1項・第3項(重傷害とその未遂)、第328条第1項・第2項・第4項(強盗とその未遂)など。
  • 性侵害犯罪防治法(性犯罪の防止に関する法律)第2条第1項に定める罪。
  • 人口販運防制法(人身取引の防止に関する法律)第31条から第34条・第36条の罪、兒童及少年性剝削防制條例(児童・少年の性的搾取を防ぐ条例)第32条から第35条、第36条第1項から第5項、第37条第1項の罪。

被害者が行為能力を欠くか制限されている場合、亡くなった場合、そのほかやむを得ない理由で自分で申し立てられない場合は、法定代理人、配偶者、直系血族などの家族が申し立てられます(第455条の38第2項)。なお、性騒擾防治法第25条の罪は対象に含まれていません。

申立ての方法は?裁判所はどう判断しますか?

審級ごとに裁判所に申立書を提出します。書面には、事件名、被告人の情報、被害者本人以外が申し立てる場合は被害者との関係、参加したい旨とその理由を書きます(第455条の39)。裁判所は、検察官、被告人、弁護人、補佐人の意見を聴いたうえで、事件の内容、申立人と被告人の関係、訴訟の進み具合、申立人の利益を考え、適当と認めれば許可し、そうでなければ却下します。この決定に不服を申し立てる(抗告する)ことはできません(第455条の40第2項・第4項)。

参加が認められたら、何ができますか?

  • 代理人の選任:いつでも代理人を選べます。選んでいない場合は、刑事訴訟法第31条の指定弁護(国選弁護にあたる制度)の規定の一部が準用されます(第455条の41)。
  • 記録の閲覧:代理人が弁護士であれば、審理中に記録や証拠物を閲覧、書き写し、複製、撮影できます。代理人がいない場合や、代理人が弁護士でない場合は、費用を前払いして写しの交付を求められます。ただし、プライバシーに関わる場合などは、裁判所が制限することがあります(第455条の42)。
  • 期日の通知:準備手続の期日と公判期日は、訴訟参加人とその代理人に通知されます(第455条の43・44)。
  • 意見の陳述:証拠の取調べが一つ終わるごとに、裁判長から意見の有無を尋ねられ、証拠の証明力について論じる機会も与えられます。刑を決める手続きの前には、量刑の範囲について意見を述べる機会があります(第455条の46・47)。

参加を申し立てなくても、受けられる保護はありますか?

捜査段階で取調べや事情聴取を受けるとき、また公判に出席するときは、本人が同意すれば、家族、医師、心理師、カウンセラー、ソーシャルワーカー、信頼できる人が付き添うことができます(刑事訴訟法第248条の1、第271条の3)。検察官と裁判所は被害者のプライバシーに配慮しなければならず、遮へい措置などを使って、被害者と被告(台湾では捜査段階で疑いをかけられている人も含みます)などを適切に隔てることができます(第248条の3、第271条の2)。

公判期日には、法律の定める例外を除き、被害者やその家族を呼び出して意見を述べる機会を与えなければなりません(第271条第2項)。判決に納得できないときは、告訴人や被害者が理由を示して、検察官に上訴するよう求めることができます(第344条第3項)。

犯罪被害人權益保障法(犯罪被害者の権利保障法)では、どんな保護サービスがありますか?

保護サービスの対象は、犯罪によって性的自己決定権を侵害された人、重傷を負った人とその家族、亡くなった人の家族などです(第13条)。保護機関とその支部は、法廷への付添いや意見陳述の手伝い、訴訟参加の申立ての手伝い、訴訟中の心理相談やカウンセリング、医療・生活費・住まいの支援などを行います(第15条第1項)。必要性に応じて、医療費、カウンセリング費用、訴訟費用、弁護士費用などの補助が出ることもあります(第16条第1項)。警察官や検察官は、職務の際に、保護サービスと補償金を申請できることを被害者に伝えなければなりません(第12条第2項)。

検察機関や裁判所は、申請を受けて、「被害者刑事訴訟情報プラットフォーム」で事件の進み具合を照会できるようにしたり、通知したりすることができます。ただし、少年事件は対象外です(第26条第1項)。加害者に損害賠償を求める民事訴訟を起こすときは、訴訟費用の納付が一時的に免除されます(第25条第1項)。また、故意の犯罪で人が死亡したり、重傷を負ったり、性的自己決定権を侵害されたりした事件で、被告(台湾では起訴前の捜査対象者も含みます)の羈押(勾留)の停止が認められた場合、裁判所は必要と認めれば、2年以内の期間を定めて、被害者への嫌がらせ、接触、つきまといや、住居・職場への接近などを禁じることができます(第35条第1項)。

犯罪被害補償金は、誰がいくら受け取れますか?

種類対象金額(台湾ドル、第57条第1項)
性侵害補償金犯罪で性的自己決定権を侵害された人10万~40万
重傷補償金犯罪で重傷を負った人80万~160万
遺族補償金犯罪で死亡した人の遺族180万

犯罪が起きた地域の地方検察署に置かれた補償審議会に、証明書類を添えて書面で申請します(第61条第1項、第62条第1項)。申請できる権利は、被害を知った時から5年、または被害が生じた時から10年が過ぎると消滅します。ただし、被害を受けたときに未成年だった人は、成年に達してから5年以内であれば申請できます(第63条第1項)。犯罪によって重傷を負った場合の5年間は、重傷であると知った時から数えます(同条第2項)。急いでお金が必要なときは、最高40万台湾ドルの暫定補償金を申請できます(第68条第1項、第69条第1項)。申請の代行を頼んで報酬を約束しても、その約束は無効です(第73条第2項)。これらの補償金の規定は2023年7月1日から施行されています。受け取れるかどうか、いくら受け取れるかは法律の要件によって個別に決まるため、自動的に支払われるものではありません。

訴訟参加と支援制度を利用する準備

訴訟参加を申し立てるかどうか、証拠や量刑についての意見をどうまとめるか、補償の申請にどんな書類が必要か。どれも、決める前にご相談いただけます。この記事は一般的な説明で、個別の事件についての法的意見ではありません。