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逮捕・拘提されたときの権利:現行犯・緊急拘提と24時間ルール

逮捕・拘提後に羈押を請求する場合は、原則として身柄拘束から24時間以内に裁判所へ請求します。ただし、弁護人や通訳の到着を待つ時間など、法律で算入しないと定められた時間があります。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

犯罪をしている最中か、した直後に見つかった人(現行犯)は、台湾刑事訴訟法第88条により誰でも逮捕できます。令状なしの緊急拘提(拘提は、強制的に身柄を連行する手続きです)ができるのは、第88条の1が定める差し迫った場合に限られます。捜査段階で検察官が取調べのうえ羈押(勾留。裁判所の決定による身柄拘束)が必要だと判断したときは、逮捕・拘提の時から24時間以内に裁判所へ請求しなければならず、請求しなければ釈放しなければなりません(第93条)。移送中の時間や、弁護人・通訳人の到着を待つ時間など、法律で定められた時間はこの時間に算入されません(第93条の1)。取調べの前には、疑われている罪、黙秘権、弁護人を選任できることなどが告げられます(第95条)。警察の取調べを受けている被疑者も、いつでも弁護人を選任できます(第27条)。

現行犯は誰でも逮捕できる?

はい、現行犯は誰でも逮捕できます。犯罪をしている最中か、した直後に見つかった人が現行犯です(第88条第1・2項)。犯人として追いかけられている人や、凶器・盗品を持っていたり体や服に犯罪の痕跡があったりして、明らかに犯人と疑われる人も、現行犯とみなされます(同条第3項。日本でいう準現行犯に近いものです)。

現行犯,不問何人得逕行逮捕之。犯罪在實施中或實施後即時發覺者,為現行犯。(刑事訴訟法第88條第1項、第2項)

〔非公式要約〕刑事訴訟法第88条は、犯罪の実行中または直後に発見された現行犯を誰でも逮捕できると定めます。

令状がなくても緊急拘提されるのはどんなとき?

緊急拘提が認められるのは、差し迫った状況にあり、次の4つのいずれかに当たるときです(第88条の1第1項)。①現行犯の供述があり、共犯者について罪を犯した疑いが強いと認めるに足りる事実がある場合、②刑の執行中や拘禁中に逃げ出した場合、③罪を犯した疑いが強いと認めるに足りる事実がある人が、職務質問を受けて逃げた場合(ただし、明らかに法定刑の上限が1年以下の罪などであるときは除きます)、④死刑、無期徒刑、または法定刑の下限が5年以上の重い罪について、罪を犯した疑いが強く、逃亡のおそれを示す事実がある場合です。

検察官が自分で緊急拘提するときは、拘票(令状)がなくてもかまいません。司法警察が行えるのは、検察官に報告する時間がない場合に限られ、拘提した後すぐに拘票の発付を求めなければなりません。拘票が出なければ、ただちに釈放されます。また、緊急拘提したときは、弁護人を選んで立ち会わせることができると、本人と家族に速やかに伝えなければなりません(第88条の1第2・3項)。

逮捕のとき何を告げられる? どこへ連れて行かれる?

逮捕・拘提する側は、その場で理由と第95条第1項の事項(取調べ前に告げるべき権利など)を伝え、本人の身体と名誉に配慮しなければなりません。理由は、本人と、本人が指定した家族や知人にも書面で知らされます(第89条)。拘票で拘提された被告や、指名手配(台湾でいう通緝)によって逮捕された被告は、すぐに指定の場所へ移送されます。台湾では、起訴される前の捜査段階でも、検察官の捜査を受けている人を「被告」と呼びます(日本の「被告人」より広い呼び方です)。24時間以内に着けない場合は、まず近くの裁判所か検察署へ送られ、人違いでないかを確認されます(第91条)。

羈押の請求までの「24時間」はいつから数える?

逮捕・拘提されて連れて来られた被告や被疑者は、すぐに取調べを受けます。捜査段階で検察官が羈押を必要と判断した場合は、逮捕または拘提の時から24時間以内に、犯罪事実、適用する条文、証拠、羈押の理由を書面で示し、事件記録と証拠物を添えて管轄の裁判所に請求しなければなりません(第93条第1・2項)。

羈押を請求しないなら、検察官は本人を釈放しなければなりません。法律上の羈押の理由はあっても請求までは必要ないと考えるときは、保釈、責付(家族などに身柄を預けること)、住居制限を命じることがあります。保釈金を納められないなど、これらの措置がとれず、羈押が必要な場合は、やはり裁判所に請求できます(第93条第3項)。なお、24時間の数え方は、次に説明する「算入されない時間」によって変わります。

24時間に数えない時間は?

第93条の1は、第91条と第93条第2項の時間を数えるときに算入しない時間を定めています。ここに挙げるのは主な例で、条文上の例外をすべて並べたものではありません。また、算入されないからといって、不必要に引き延ばしてよいわけではありません。

  • 交通障害などの不可抗力で、どうしても遅れてしまった時間。
  • 本人を移送している途中の時間。
  • 第100条の3第1項により、取調べをしてはいけない時間帯(夜間など)。
  • 急に体調を崩すなどして、実際に取調べができない時間。
  • 選任した弁護人が来るのを待つ時間(4時間まで)。法律に基づいて付される弁護士や、障害のために十分に話せない人に付き添う人の到着を待つ時間も、同じ扱いです。
  • 通訳人が来るのを待つ時間(6時間まで)。
  • 検察官が保釈や責付を命じた後、保釈金の納付や身柄の引受人を待つ時間(4時間まで)。
  • 裁判所で提審(人身保護の手続き)が行われている時間。

算入されない時間のあいだは、取調べもできません。こうした事情で24時間以内に裁判所へ移送できなかったときは、検察官は羈押を請求する際にその理由を説明しなければなりません(第93条の1第2・3項)。すべての例外は現行の条文でご確認ください。

取調べの前に、どんな権利を告げられる?

取調べの前には、次のことを告げなければならないと定められています(第95条第1項)。疑われている犯罪の内容とすべての罪名(途中で変われば改めて告げます)、黙っていてよく、自分の意思に反して話す必要はないこと、弁護人を選任できること(低所得世帯や原住民族など、条件を満たす人は法律扶助も求められること)、そして自分に有利な証拠の調査を求められることです。弁護人のいない被告が「弁護人を選任した」と言ったときは、本人が続けることに同意しない限り、取調べはすぐに中断されます(第95条第2項)。

弁護人はいつ頼める? 面会はできる?

被告はいつでも弁護人を選任できます。警察(司法警察官・司法警察)の調べを受けている被疑者も同じです(第27条第1項)。法定代理人、配偶者、直系血族、3親等以内の傍系血族、家長・家族も、本人のために独自に弁護人を選任できます(第27条第2項)。

弁護人は、羈押されている被告と面会し、手紙をやり取りできます。これを制限できるのは、証拠の隠滅・偽造・変造や、共犯者・証人との口裏合わせのおそれを示す事実がある場合だけです(第34条第1項)。捜査段階で逮捕・拘提された被告や被疑者との面会・通信も制限できませんが、面会は1回、1時間までです。面会にかかった時間は、第93条の1により先ほどの時間計算に算入されません。検察官は、急を要する正当な理由があれば面会を一時的に遅らせることができますが、その場合は、すぐに面会できる日時と場所を指定しなければなりません(第34条第2・3項)。

被告得隨時選任辯護人。犯罪嫌疑人受司法警察官或司法警察調查者,亦同。(刑事訴訟法第27條第1項)

〔非公式要約〕第27条第1項により、被告と、司法警察の調べを受ける被疑者は、いつでも弁護人を選任できます。

取調べは録音・録画される? 夜間の取調べは?

取調べは、原則として最初から最後まで録音され、必要なときは録画もされます。例外は、急を要する事情があり、そのことを調書に書いた場合だけです。調書の記載が録音・録画と食い違うときは、その食い違う部分を、原則として証拠にできません。これらのルールは警察での取調べにも準用されます(第100条の1第1・2項、第100条の2)。

警察は、原則として夜間に取調べをしてはいけません。例外は、本人がはっきり同意した場合、夜間に逮捕・拘提されて身元を確認する場合、裁判官や検察官の許可がある場合、急を要する場合などです。本人がすぐに取り調べてほしいと求めたときは、ただちに行います。ここでいう「夜間」は、日没後から日の出前までです(第100条の3)。

弁護人の選任と身柄拘束の時刻

逮捕・拘提後に弁護人や通訳が必要な場合は、取調べを始める前にその旨を伝えてください。逮捕の理由が法律に合っているか、24時間の数え方に誤りがないか、黙秘権を使うか、弁護人を頼むかは、できるだけ早く相談して確かめてください。このページは一般的な説明で、個別の事件についての法的意見ではありません。

ご家族が逮捕・拘提されたときは、この先の手続きと時間の制限について、まずご相談ください。

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