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台湾で警察に連行されたら? 通訳、権利の告知、まず誰に連絡するか

中国語を理解できない人の取調べには、法律に基づいて通訳が付きます。警政署は日本語の権利告知書も用意しており、調書の内容は通訳を通じて確認し、誤りの訂正を求められます。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

言葉が通じないときは、通訳を付けることが法律で決まっています(台湾の刑事訴訟法99条)。警察の取調べでも同じです(100条の2)。通訳の到着を待つ時間は、最長6時間まで、24時間の制限時間に数えられません(93条の1)。警政署は、日本語を含む16言語の権利告知書を用意しています。調書は本人に読み聞かせるか見せるかして確認させなければならず、署名を拒んだときは、その理由が調書に書き添えられます(41条)。逮捕の理由は、本人と、本人が指定した家族や知人に書面で知らされます(89条)。在台の各国機関がどこまで支援してくれるかは、それぞれの公表内容によります。

中国語が話せなくても、警察はそのまま取調べをしますか?

言葉が通じないときは、通訳を付けることが法律で求められています。被告(台湾では起訴前の捜査対象者も含みます)が言葉を理解できないときは通訳を付け、必要なら書面で質問したり、書面で答えさせたりすることもできます(刑事訴訟法99条1項)。この規定は警察による被疑者の取調べにも準用され(100条の2)、証人や被害者など、取調べを受けるほかの人にも準用されます(99条2項)。

警政署(内政部警政署)の説明によると、各警察機関には通訳の連絡名簿があり、深夜や名簿に適任者がいないときは、勞動部勞動力發展署の1955ホットラインか移民署の1990ホットラインをつないだ三者通話で、二言語の通訳をしてもらえます。1955は日本語に対応していないので、日本語の通訳が必要なときは1990などにつないでもらうよう頼んでください。警政署の「外国人生活安全Q&A」によると、1990ホットラインの受付時間は、中国語・英語・日本語が24時間、ベトナム語・インドネシア語・タイ語・カンボジア語が月曜から金曜(祝日を除く)の9時から17時までです。聞き取れないときは、通訳が必要なことと、希望する言語(日本語など)を警察官にはっきり伝えてください。

被告為聽覺或語言障礙或語言不通者,應由通譯傳譯之;必要時,並得以文字訊問或命以文字陳述。前項規定,於其他受訊問或詢問人準用之。但法律另有規定者,從其規定。(刑事訴訟法第99條)

〔非公式要約〕被告が言語に通じないときは通訳を介し、必要なら書面で尋問や陳述ができ、ほかの取調べ対象者にも準用されます(刑事訴訟法99条)。

通訳の到着を待つ時間は、24時間に含まれますか?

含まれません。ただし最長6時間までです。通訳が必要で、その到着を待っていたために取調べができなかった時間は、24時間には数えません。ただし、待ち時間は6時間を超えてはならず、不必要に遅らせることも許されません(刑事訴訟法93条の1第1項6号)。待っている間は、取調べをしてはいけません(同条2項)。24時間の数え方や、ほかに除外される時間は逮捕や拘提をされたときの権利は?現行犯、緊急拘提と24時間をご覧ください。日本の逮捕後の時間制限とは仕組みが違う点にも注意してください。

連行されるとき、何を告げられますか? 日本語の権利告知書はありますか?

警察はその場で理由と法律上の権利を告げなければならず、警政署は日本語版の告知書も用意しています。拘提や逮捕をするときは、その場で理由と、95条1項に定める事項を告げなければなりません(刑事訴訟法89条1項)。それぞれの権利の内容は逮捕や拘提をされたときの権利は?現行犯、緊急拘提と24時間をご覧ください。

警政署の公告によると、権利告知書には日本語、英語、韓国語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語など16言語の版があり、外国人が関わる刑事事件を担当する警察官が、その場でダウンロードして、逮捕・拘提された外国籍の人に見せることができます。本記事で確認した英語版には、黙秘できること、弁護人を選べること、有利な証拠の調査を求められること、夜間の取調べに同意するかどうか、といった項目があります。日本語版を見せてほしいと頼んでみてください。

友人や同僚に通訳してもらえますか?

申し出ることはできますが、その人に通訳を任せるかどうかは、担当の機関が確認して決めます。法務部の「檢察機關辦理刑事案件使用通譯應行注意事項」(検察機関の通訳使用に関する注意事項)では、当事者などが自分で通訳者を連れてきたときは、検察官はその人を選ぶ前に、身元、通訳の力、取調べを受ける人との関係を確かめ、ほかに取調べを受ける人の意見も聞くことになっています(第7点)。

警察の段階については、警政署の問答集が、人材仲介会社の職員は自社の仲介業務に関係する事件の通訳はできず、別の通訳を頼むことになると説明しています。

調書が読めないとき、署名しなくてもよいですか?

署名を拒んだときは、その理由が調書に書き添えられます。調書(筆錄)は、本人に読み聞かせるか見せるかして、誤りがないかを確かめなければならず、書き加え・削除・変更の申出があれば、その内容を書き添えなければなりません(刑事訴訟法41条2項、3項)。調書には署名、押印または指印を求められますが、本人が拒んだときは、その理由を書き添えます(同条4項)。警察の取調べでも同じです(43条の1第1項)。

調書はふつう中国語で作られます。通訳を通じて内容を確認させてもらい、誤りがないことを確かめるか、訂正を求めたうえで、署名するかどうかを決めることができます。

筆錄應命受訊問人緊接其記載之末行簽名、蓋章或按指印。但受訊問人拒絕時,應附記其事由。(刑事訴訟法第41條第4項)

〔非公式要約〕調書には記載の末尾に続けて署名、押印または指印をさせますが、本人が拒んだときはその理由を付記します(刑事訴訟法41条4項)。

家族や知人に知らせてもらえますか?

知らせる相手を指定でき、逮捕の理由は書面で通知されます。拘提や逮捕をしたときは、その理由を本人と、本人が指定した家族や知人に書面で知らせなければなりません(刑事訴訟法89条2項)。連行されるときは、誰に知らせてほしいかと、その連絡先をはっきり伝えましょう。

家族が弁護士を頼むこともできます。被告・被疑者の法定代理人、配偶者、直系血族、三親等内の傍系血族、家長・家族は、本人とは別に、独自に弁護人を選ぶことができます(27条2項)。

日本台湾交流協会など、在台機関は何をしてくれますか?

連絡はできますが、どこまで支援してくれるかは各機関の公式の案内によります。日本台湾交流協会の公表資料によると、台北事務所の管轄には台中市も含まれます。同協会は日本語で対応できる法律事務所のリストも公表していますが、掲載された事務所を推薦するものではないと明記しています。逮捕されたときに具体的にどんな支援を受けられるかは、同協会の公式の案内でご確認ください。

参考までに、駐台北韓國代表部は、自国民が逮捕・拘禁されたときの領事面会、弁護士や通訳人の名簿の提供、刑事裁判の手続きの案内は支援に含まれる一方、通訳や法律相談を直接提供すること、通訳費や訴訟費用の支払い、罰金の立替え、捜査や司法手続きへの介入、釈放や減刑のための外交交渉はしないと公表しています。支援の範囲は、機関ごとに確認してください。

地方検察署や裁判所では、通訳はどう手配されますか?

地方検察署(地檢署)にも裁判所にも通訳の制度があり、自分から通訳を頼むこともできます。同じ注意事項では、検察官は通訳が必要かどうかを自分から確認し、呼出しの際に文書に書き添えるか、通訳申請書を同封して知らせるのが望ましいこと(第3点)、各検察機関の総合窓口と開廷受付に通訳申請書を置くこと(第8点)、複雑な事件では2人以上の通訳を選び、主通訳と補助通訳に分けられること(第5点)が定められています。

裁判所では、当事者や証人などが国語(中国語)を理解できないときは通訳が付き(法院組織法98条)、地方法院(地方裁判所)は事件ごとに各言語の特約通訳を委嘱します(23条4項)。司法院のウェブサイトにある特約通訳の専用ページには、特約通訳の名簿や、よく使う法律用語の多言語対照表などが載っています。

訴訟當事人、證人、鑑定人及其他有關係之人,如有不通曉國語者,由通譯傳譯之;其為聽覺或語言障礙者,除由通譯傳譯外,並得依其選擇以文字訊問,或命以文字陳述。(法院組織法第98條)

〔非公式要約〕訴訟の当事者、証人、鑑定人などが国語に通じないときは通訳が通訳し、聴覚や言語に障害のある人は本人の選択で書面による尋問や陳述もできます(法院組織法98条)。

取調べ前の通訳と弁護人の確保

被告はいつでも弁護人を選ぶことができ、司法警察の調べを受ける被疑者も同じです(刑事訴訟法27条1項)。弁護人は取調べに立ち会い、メモを取り、意見を述べることができますが、法律の定める理由があるときは制限・禁止されることがあります(245条2項)。言葉が通じないときは、通訳がきちんと付いているか、調書が正確に書かれているかを、最初の取調べの前後にできるだけ早く確かめることが大切です。本記事は一般的な説明であり、個別の事件についての法的助言ではありません。