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出国・出海を制限されたら:期間の上限、通知、解除を求める方法

出国・出海の制限には、犯罪の疑いに加え、逃亡などの法定の理由と必要性が求められます。捜査中と裁判中では期間の上限が異なり、本人と弁護人は取消しや変更を求められます。

更新日 2026-10-26

本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。

要点

出国・出海(船で海に出ること)の制限は、罪を犯した疑いが強いことに加えて、決まった住居がない、逃亡のおそれがある、証拠の隠滅や共犯者・証人との口裏合わせのおそれがある、のいずれかに当たり、必要があるときに限って、検察官か裁判官が命じることができます(台湾刑事訴訟法第93条の2)。理由・期間・不服申立ての方法などを書いた書面は、原則として制限から6か月以内に本人に届きます。住所や居所が分からず通知できない場合は例外です。捜査中の制限は最初が8か月以内で、延長は裁判所の決定を得て2回までです。裁判所は延長を決める前に、被告と弁護人に意見を述べる機会を与えなければなりません(第93条の3第4項)。台湾では、起訴される前の捜査段階でも、検察官の捜査を受けている人を「被告」と呼びます(日本の「被告人」より広い呼び方です)。裁判中の制限は1回につき8か月以内で、通算の上限は罪によって5年か10年です(第93条の3)。不起訴などになれば制限は取り消されたものとみなされますが、上訴期間中などは続くことがあります(第93条の4)。被告と弁護人は、いつでも取消しや変更を求めることができます(第93条の5)。

どんなときに出国・出海を制限される?

制限できるのは、被告について罪を犯した疑いが強く、しかも決まった住居がないとき、逃亡のおそれがあると考える相当な理由があるとき、または証拠の隠滅・偽造・変造や共犯者・証人との口裏合わせのおそれがあると考える相当な理由があるときです。そのうえで必要があると判断すれば、検察官か裁判官が制限を命じます。ただし、法定刑の上限が拘役(短期の自由刑)か罰金だけの罪では、この規定による制限はできません(第93条の2第1項)。疑いをかけられただけで、自動的に制限されるわけではありません。

書面には何が書かれている? いつ届く?

書面には、被告の氏名などの身元、事件名と適用される条文、制限の理由と期間、執行する機関、不服があるときの申立ての方法が書かれます(第93条の2第2項)。この書面は、住所や居所が分からず通知できない場合を除き、制限から遅くとも6か月以内に届きます。通知より前に取調べを受けるときは、その場で制限を告げられ、書面を渡されます。書面が届く前に自分が制限されていると知ったときは、自分から書面の交付を求めることもできます(同条第3・4項)。

捜査中の制限は最長で何か月?

捜査中に検察官が命じる制限は、8か月を超えることができません。さらに続ける必要があるときは、期間が切れる遅くとも20日前までに、具体的な理由と、被告の身元、事件名と適用条文、制限の理由と期間、執行機関を書いた書面を裁判所に出して、延長の決定を求めなければなりません。このとき、請求書の写しを被告と弁護人にも送ります(第93条の3第1項)。検察官が自分だけの判断で期間を延ばすことはできません。

偵查中檢察官限制被告出境、出海,不得逾八月。但有繼續限制之必要者,應附具體理由,至遲於期間屆滿之二十日前,以書面記載前條第二項第一款至第四款所定之事項,聲請該管法院裁定之,並同時以聲請書繕本通知被告及其辯護人。(刑事訴訟法第93條之3第1項)

〔非公式要約〕捜査中の制限は8か月以下です。延長が必要な場合は、満了の遅くとも20日前までに検察官が裁判所の決定を求めます(刑事訴訟法第93条の3第1項の趣旨)。

延長できる期間と、裁判中の上限は?

捜査中の延長は2回までで、1回目は4か月以内、2回目は2か月以内です。もとの期間と合わせると、捜査中の制限は最長で14か月になります。裁判所は延長を決める前に、被告と弁護人に意見を述べる機会を与えなければなりません(第93条の3第4項)。起訴されて裁判(台湾でいう審判)が始まった後は、1回の制限が8か月以内で、延長を重ねることもできますが、法定刑の上限が10年以下の罪は通算5年、それ以外の罪は通算10年を超えられません(第93条の3第2項)。

逃げて指名手配されていた期間は、制限の期間に数えません(同条第3項)。起訴されて事件が裁判所に移ったときの法定の延長期間と、捜査中の制限の残り期間は、裁判中の期間に含めて数えます(同条第5・6項)。

偵查中檢察官聲請延長限制出境、出海,第一次不得逾四月,第二次不得逾二月,以延長二次為限。審判中限制出境、出海每次不得逾八月,犯最重本刑為有期徒刑十年以下之罪者,累計不得逾五年;其餘之罪,累計不得逾十年。(刑事訴訟法第93條之3第2項)

〔非公式要約〕捜査中の延長は最初が4か月以下、次が2か月以下で計2回までです。審判中は1回8か月以下、累計は罪名に応じて5年または10年以下です(刑事訴訟法第93条の3第2項の趣旨)。

制限が自動的に解除されるのはどんなとき?

不起訴や緩起訴(一定期間、起訴を猶予する台湾の制度)の処分を受けたとき、または無罪、免訴、刑の免除、執行猶予(台湾でいう緩刑)、罰金、訓戒への換刑、刑事訴訟法第303条第3・4号による不受理(日本の公訴棄却に近いもの)の判決を受けたときは、改めて申し立てなくても、法律上、制限は取り消されたものとみなされます。ただし、上訴期間中や上訴審の途中で必要があれば、制限が続くことがあります(第93条の4)。処分の種類だけで「もう出国できる」と判断せず、担当の機関に確認してください。

被告受不起訴處分、緩起訴處分,或經諭知無罪、免訴、免刑、緩刑、罰金或易以訓誡或第三百零三條第三款、第四款不受理之判決者,視為撤銷限制出境、出海。但上訴期間內或上訴中,如有必要,得繼續限制出境、出海。(刑事訴訟法第93條之4)

〔非公式要約〕上記の処分・判決では出国・出海制限が取り消されたものとみなされますが、上訴期間中または上訴中に必要があれば継続できます(刑事訴訟法第93条の4の趣旨)。

自分から解除や変更を求められる?

できます。被告と弁護人は、検察官か裁判所に、いつでも制限の取消しや変更を求めることができます。捜査中は検察官自身も裁判所に取消しを求めることができ、そのときは出入国・出海を管轄する機関に先に解除を知らせることもできます(第93条の5第1項)。

捜査中は、検察官の請求による場合を除き、裁判所が取り消す前に検察官の意見を聞きます。検察官が命じた制限は検察官が自分の判断で取り消したり変更したりできますが、起訴されて事件が裁判所に移った後は、残りの期間を裁判所が職権か申立てによって扱います。裁判所が命じた制限も、裁判所が職権で取り消したり変更したりできます(同条第2~4項)。請求するときは、制限の必要がなくなった事情と、それを裏付ける資料をそろえておきましょう。

具保や住居制限に伴う出国制限

あります。ほかの規定に基づき具保(保証書の提出や保証金の納付)、責付(身元引受人への引渡し)、住居制限を命じられる場合は、出国・出海の制限もあわせて命じることができます。台湾の具保は、捜査段階でも利用される制度です。その場合も、書面の記載事項、期間と延長、取り消されたとみなされる場合、取消し・変更の請求についての規定が準用されます(第93条の6)。出国制限を単独で受けたのでなくても、期間と救済のルールは同じなので、確かめておきましょう。

制限に不服があるときは?

方法は、誰が制限したかによって違います。裁判所が延長などについて出した決定には、判決前の手続上の決定には抗告できないという原則の例外として、抗告できます(第404条第1項第2号)。決定の執行が終わった後でも抗告でき、裁判所は「すでに執行が終わっていて利益がない」という理由で退けることはできません(同条第2項)。

裁判長、受命裁判官・受託裁判官、検察官による処分に対しては、その所属する裁判所に取消しや変更を求めることができます(日本の準抗告に近い手続きです)。処分の執行が終わった後でも請求でき、裁判所は「すでに執行が終わっていて利益がない」という理由で退けることはできません。期限は処分の日から10日で、処分が送達された場合は送達の後から数えます(第416条第1項第1号・同項後段、第3項)。まずは手元の書面で、どの機関が制限したのかを確かめてください。

制限の期間と渡航事情を整理する

制限の通知書が届いたとき、仕事や家族の事情でどうしても渡航しなければならないとき、取消しを求めるか迷っているとき、期間や不服申立ての方法が分からないときは、早めにご相談ください。このページは法令の一般的な説明で、個別の事件についての法的意見ではありません。

出国制限の通知が届いたら、期間と不服申立ての期限を一緒に確かめましょう。

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