本記事は台湾法に基づきます。相談は中国語で行いますが、通訳の手配についてご相談ください。
警察から出頭の通知が届いても、起訴されたわけでも、有罪と決まったわけでもありません。ただ、正式な通知に正当な理由なく応じなければ、警察は検察官に拘票(強制的に連れて行くための令状)を出すよう求めることができます(台湾刑事訴訟法第71条の1)。質問の前には、疑われている犯罪の内容、黙っていてよいこと、弁護人を選べることなどを告げなければなりません(第95条、第100条の2)。取調べは原則として最初から最後まで録音され、必要なら録画もされます(第100条の1・2)。夜間の取調べは原則として禁止されており、弁護人は法律上の制限の範囲内で立ち会うことができます(第100条の3、第245条)。
警察の出頭通知書とは?
司法警察官・司法警察が、犯罪の疑いを調べて証拠を集めるために、被疑者に警察まで来て話をするよう求める書面です。警察機関の責任者が署名し、氏名、事件名、出頭する日時と場所が書かれています(第71条の1、第71条)。通知を受け取っただけで、起訴されたことにはなりません。ただし、警察で話した内容は、その後の捜査や裁判で証拠になることがあります。
通知を無視して行かなかったら、どうなる?
正式な通知を受けた被疑者が正当な理由なく出頭しなかった場合、警察は検察官に拘票を請求でき、強制的に連れて行かれることがあります(第71条の1)。病気や、ほかの裁判所から指定された重要な期日などが正当な理由にあたるかどうかは、個別の事情で判断されます。通知を放っておかず、担当の部署に電話か書面で事情を説明し、日程を変えられるかどうかを確認してください。
司法警察官或司法警察,因調查犯罪嫌疑人犯罪情形及蒐集證據之必要,得使用通知書,通知犯罪嫌疑人到場詢問。經合法通知,無正當理由不到場者,得報請檢察官核發拘票(刑事訴訟法第71條之1第1項)。
〔非公式要約〕警察は捜査に必要なとき被疑者へ出頭通知を出せ、適法な通知を正当な理由なく欠席した場合は検察官に拘票の発付を求められます。
取調べのとき、何を告げられ、どんな権利がある?
被告(台湾では起訴前の捜査対象者も含みます)に前もって告げるべき事項を定めた第95条は、警察が被疑者に質問するときにも準用されます(第100条の2)。つまり警察での取調べでも、次のことを告げられます。
- 疑われている犯罪とすべての罪名。途中で変わった場合は、あらためて告げられます(第95条第1項第1号)。
- 黙っていてよいこと。自分の意思に反して話す義務はありません(第2号)。
- 弁護人を選べること。低所得世帯・中低所得世帯の人、先住民族の人、その他法律扶助を受けられる人は、扶助を求められることも告げられます(第3号)。
- 自分に有利な証拠を調べるよう求められること(第4号)。
弁護人がまだ来ていない段階で「弁護人をもう頼んである」と伝えた場合、本人が続けることに同意しない限り、質問はすぐに止めなければなりません(第95条第2項)。
弁護士に立ち会ってもらえる?
はい。被疑者は、警察の捜査を受けている間いつでも弁護人を選ぶことができます(第27条)。弁護人は質問に立ち会い、メモを取り、意見を述べることができます(第245条第2項)。ただし、国家機密を害する、証拠を隠滅する、共犯者や証人と口裏を合わせる、他人の名誉を傷つけるおそれがある場合や、捜査の秩序を乱す場合など、法律が定める理由があるときは、立会いを制限・禁止されることがあり、その理由は調書に記録されます。その結果ほかに弁護人がいなくなったときは、警察はあらためて黙秘権と弁護人を選ぶ権利を告げなければなりません(同条第3・4項)。質問の日時と場所は、原則として弁護人にも知らされますが、急を要するときは例外です(第6項)。
取調べは録音・録画される?
原則として、最初から最後まで途切れなく録音され、必要なら録画もされます。ただし、急を要する事情があり、それが調書に記録された場合は例外です(第100条の1・2)。調書に書かれた供述が録音・録画の内容と食い違っているときは、この急を要する例外の場合を除き、食い違っている部分に限って、証拠として使うことができません(第100条の1第2項)。署名する前に調書を一字一句確かめ、違いがあればその場で訂正を求めてください。
夜に取調べを受けることはある?
夜間、つまり日没後から日の出前までの取調べは、原則として禁止されています。例外は、本人がはっきり同意した場合、夜間に逮捕・拘提(強制的に身柄を連行する手続き)されて本人確認をする場合、検察官や裁判官の許可がある場合、急を要する場合などに限られます。反対に、本人がすぐに取調べを受けたいと求めたときは、警察は速やかに応じなければなりません(第100条の3)。
出頭する前に、何を準備すればいい?
- 通知書に書かれた事件名、日時、場所、発行した警察機関を確かめます。
- 領収書、メッセージ、通話記録などの客観的な資料と、出来事の時系列を整理し、覚えている事実と推測を分けておきます。
- 必要なら出頭前に弁護人を選び、当日の立会いを頼みます(第27条)。
- ほかの被疑者や証人と個人的に連絡を取るのはやめましょう。口裏合わせを疑われ、その後の手続きに響くおそれがあります。
出頭前の資料と弁護人の準備
重い罪を疑われている、通知書の内容がよくわからない、黙秘権をどう使えばよいか迷っている、自分のほかにも調べを受けている人がいる――こうした場合は、出頭する前にご相談ください。結果は事実と証拠によって変わります。このページは一般的な説明であり、個別の事件についての法的意見ではありません。